3ー⑩
─翌日、水槽学部部室
「こんにちは!」
「学園モノだっつーのに、教室のシーン全然出ないねぇ」
礼と唯は部室に入る。既に志麻とさくら、寅之介らは来ていて、雑誌を読んでいた。
「うん、ネオンテトラもコリドラスもエンドラーズもアカヒレも、みんな元気」
「エンドラーズは調子よく飼ってれば赤ちゃんが生まれるから、繁殖に備えておかないとね」
唯が言ったその時だった。
「失礼するわ!」
勢いよく開けられた扉。 そこに立っていたのは金髪ツインテールに白い肌の少女。
「1年C組
私達と同じく学園の制服に身を包んだコメットだった。
「コメットちゃん?」
「また会うって、こういう事だったのか!」
「飛行機トラブルで入学式に間に合わなかったのよ。改めてヨロシクね。アヤ、ユイ!」
「その子、一年生?唯達の知り合いなの?」
「ブラスバンドの吹奏楽部と間違えたワケじゃなくて、ガチの入部希望者なん?」
「ああ。日淡好きの変な奴だよ、そいつは」
志麻とさくらもコメットの方へ顔を向けたその時だった。
「はーっはっは!マニアで結構!変人で大歓迎!水と魚を愛する者に門戸を解放!!それが我々、翠涼学園水槽学部っ!略してすいすいっ!ようこそコメットくん!!」
またも奥の倉庫から現れた部長こと光青。
「部長さん、もしかしてそこに住んでるんですか……?」
礼の水槽にはショップで買った魚たちが、部にはコメットが。新たな仲間を加えて翠涼学水槽学部は今日もアクアリウムに狂じるのだった。
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