3ー⑥
「さて、次はコリだね」
「可愛いよね、コリドラス♪」
コリドラス。南米に広く生息する小型のナマズであり、その愛嬌のある姿と砂を掻き分けながら餌を探す動きの可憐さから、アイドル的人気を誇る魚である。
「コリドラス・ジュリー…メタエ、アドルフォイ、コンコロール……一杯いるなぁ」
「コリは種類が豊富だからね。コレクション性も高いから大きな水槽に色んなコリだけを飼ってる人もいるくらいだよ」
「そうなんだ……ねえ、このコリドラス達はグッピーみたいな『品種』とは違うの?」
「うん。そこの白コリがこっちの赤コリと同じアエネウスって種類で白はそのアルビノって以外は全部別。また犬で例えるけど、赤コリと白コリが柴犬と白柴の違いだとしたら、他のコリドラスは犬と狐やコヨーテくらい離れてるよ」
とはいえ、犬と狐の間に雑種は生まれないが、犬とコヨーテの間にはコイドッグという雑種が生まれるように、コリドラスもシュワルツィとパンダという別種の間に雑種が生まれる事もあり、別種同士の混泳には注意が要る。
「そっかぁ……じゃあ種類によって、簡単だったり難しかったりするの?」
「お、礼ちゃんも解ってきたねぇ。難しい種類ほど殖やしにくいから、高いのは難しいと思っていいよ」
「値段の問題もあるよねぇ……こう、目の周りに黒い帯が入ったのが特に可愛いんだけどなぁ」
と、礼が見ているのはコリドラス・アクセルロディ。1匹1300円と、コリドラス全体で見れば安い方だが、高校生が小遣いで何匹も買える値段ではない。
「そこで、値段も飼いやすさもピッタリな初心者向け三銃士を紹介するよ」
「初心者向け三銃士!?」
「まず赤コリことコリドラス・アエネウス。 そして白コリことアルビノコリドラス。この二匹はさっきも言ったけど色違い。そして花コリことコリドラス・パレアトス!どれも安くて飼いやすい、コリドラスの入門種だよ」
唯は水槽を泳ぐコリドラス達を指さす。
「……見た目で選んで大丈夫?」
「全然OK!」
「じゃあ、この白コリにするよ。ハツカネズミみたいでかわいいもん」
「おっ!女子らしいセンスだねぇ。ああそうそう、 コリドラスってヒレに毒針があるから扱うときは注意してね」
「まじで!?」
大マジである。筆者こと私は、小学生の時に水槽の掃除をしていて花コリの毒針が指に刺さってしまい、指先から肘の辺りまで小一時間痺れる激痛を味わった。綺麗な薔薇には棘があると言うが、可愛いコリドラスにも毒針があるのだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます