ダンジョンというか例のアレ
射撃場の訓練用に設けられた、キルハウスの地下にあるというそのダンジョンは、かつては銀行の金庫室の様な、分厚い鋼鉄の扉で封鎖されたいたようだった。
なるほど、ダンジョンっていうからウェザードリィみたいな、赤レンガの壁の迷宮みたいなのを想像したが、これはあれだ、昔の核シェルターかなんかだ。
赤錆と黒カビで覆われた金属とプラスチックの壁にはX字が書かれている。
それを見たミリアはカーッペッ!っと痰を吐きかけた。きちゃないなあ。
「ヘドが出やがりますね!」
「……衛生的にあまりよくないぞ。塗りつぶすかしてしまえ」
「へい!ようがす!」
何語だよ!?
ミリアはスプレー缶を取り出すとX字を白く塗りつぶした。どっから取り出したのソレ。
先人が残した宗教的シンボルを消した俺たちは、鋼鉄の扉を抜けて、ダンジョンの中へと進む。
最初に入ったメンバーは俺、ミリア、デドリー、そしてポトポトの街で訓練していたエルフの未亡人の2人だ。しかし、未亡人2人は扉の警戒にために残した。
開けっぱなしといて、何かがあると困るからね。
シェルターの中は意外と広い。人間より2回りくらい大きい俺が頭をぶつけずに済むのだから、天井は結構高い。とても地下室とは思えない贅沢な作りだね。
入ってすぐに、そこらに壊れた機械や謎生物の死骸があるので早速いただく。これは先に探索していたミリアたちが仕留めたのだろうか?
「……この遺骸はミリア、お前たちが?」
「あっはい、何かいたのでこう、サクッっと」
見た感じ、なんとも言えない感じだなコレは。クモみたいな8足をした胴体に、物騒なハサミの付いた機械に、モグラと猫を合わせたみたいな奇妙な生物。
機械の方は鉄やアルミか、おお!アルミ!これはいろんなところに必要になるので非常にありがたい。
珍奇な生物の方はなんかいろいろ見たことも聞いたことも無い素材がぞろそろでてくる。
何とかウムみたいなのがパパパッっと流れたが、俺は科学者じゃないので何のことやら。
そういや、あのミリアが渡してくれた核融合バッテリーとか作れたりしないのかな?
いずれ必要になる気がするし、ちょっとクラフトメニューを確認してみるか。
たぶんだけどバッテリーとかそんなんか?いろいろあり過ぎてまー解らん。
MKなんとかで検索をかけてようやく見つかる。
ふむ、グレーアウトしてるね。まあ当然だ。
MK3核融合バッテリー
トリチウム ×30000/2
リチウム ×120000/1
……
わーお。必要資源量の多さに絶句。しかも、なんだかさっぱりわからんものがレシピとしていっぱい並んでいる。
料理に使う調味料や草の名前がわからないアレだ。ネットがある時代ならいざ知らず、今の時代でこれはきつい。
うーむ、ミリアがくれたバッテリーってもしかしなくてもかなり貴重な物だったんだなあ。
ひとまずお気に入りに登録しておこう。今後食ったもんがこのレシピの数字を変化させたら、それが優先的に食うべきものという訳だ。
しかしこんなわけのわからんもん体に入れてる生物がいるってことは、ここは何かの研究をしてたとかに違いない。
変なもんが出てこないといいが……。
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