禁止される理由がわかるわ
俺はエルフの村の開けたところに無人機をえっちらおっちらもって行くと、早速飛ばしてみることにした。
しかし何で炊飯器やトースターで爆弾が作れたんだろう?さすがに謎技術すぎるぞと思ってUIを探っていったら、どうやら薬を使うときの
最先端医薬品の材料って、まさか脳みそから少ししかとれない部位からできてるとか、そういう事じゃないよね…?
疑問を解こうとするとまた疑問が増えるので、俺はあまりクラフトメニューに関しては考えないことにした。さすがに疑問だらけで身動きが出来なくなってしまう。
疑問を解決したからといって、エルフたちの生活が上向くわけじゃないしな。
無人機は音もなくスイーっと空に上がっていった。後のコントロールは俺のUIに表示されてるライブ画面からできるらしい。
おててをUIにかざして動かすジェスチャー操作もできるし、飛行機自体に三人称視点でおっ被さるようにしてゲームみたいに操作もできる。俺は後者の操作法を選んだ。単純になかなか楽しかったからだ。
たしか神聖オーマ帝国は西の方だったな~と思いだしつつ空を飛んでいると、森の中に人間の建造物があるのをみつけた。
見た感じ砦かぁ?
灰色のレンガだか石みたいなのでできていて、緩い四角形になっている。
4方には塔みたいなのが立っていて、布の服をきた人が弓みたいなのもって居る。
四角形の真ん中はぽっかり空いていて、中庭があるようだ。ん?何かあるみたいだ。
俺はカメラの倍率を上げて中庭を見てみる。
中庭には整列した鎧を着たバケツ頭が並んでいる。
後は電柱みたいにおっ立てられた棒の上に車輪があるな……うぇっ
車輪の上には四肢を結びつけられた人間っぽい何かがある。鳥かなんかについばまれたのかところどころ赤いものが見える。
よく見ると鳥かごとか晒し台みたいなのにもある。どれも人がいるが動いてないな。
使ってないのは大体赤褐色の汚れが付いている。
これだから中世のチンパン共は……
丁度いい、エルフの村に一番近いってことは前哨基地とかそんな感じだろ。
さっそく一発落としてみるか。
えーっとどれがいいかな?テミスってやつにしてみるか。選択っと。
選択肢て安全装置を解除すると、俺の視界に丸いリングが浮かんで、リングの下の方にふらふら動く楕円が現れた。
ふぅーむ?なんかロックオンって感じじゃないな。俺が左右に動くと遅れてついてくるし、多分この下の方でフラフラしている楕円は爆弾の落ちる先みたいなのを表してるんだろうな。
しかし楕円はいくつもあってえらいブレる。こんなんじゃまともに狙えないよー不良品だよー。
しょうがない、適当に砦の方に落とすか。ハズレって解っただけでもええこっちゃ。
俺はテミスとか言う爆弾?を人間族の砦に落とす。
結果的に言うと、あのふらふらと動く丸い楕円はすべてちゃんとしてるという事がわかった。
落とした爆弾は空中でバラバラに分解して無数の粒に分かれた。そして砦を覆う楕円の部分にしっかりと粒が到達して爆炎が発生した。
<BOBOBOBOMBOBOM!!BOM!!>
あ、これは知っているぞ、ニュースで見たことがある。クラスター爆弾ってやつだ。
落とした爆弾は地面よりちょっと浮いたところで爆発して、雨の時の水たまりみたいに衝撃波と破片の波紋をいくつも作った。
嫌な雨雨ふれふれだなぁ……
石造りの建物に火災が発生して黒煙の筋がいくつも上がっている。
オレンジ色の火が付いて逃げまどってる人型のものが見えるが、すぐに動きが鈍くなって地面に倒れる。
地面を転がって消そうとしている比較的賢いチンパンもいるが、無慈悲にも炎は彼らも焼き尽くしている。
なんか結構ヤバいものだなコレ……俺の記憶だと何とか条約で禁止されてた気がするんだけど、こりゃ禁止される理由がわかるわ。
とはいえ効率が違うだけで、彼らも松明で似たことはやってるのだ。やり返されるのも当然だよねってことで納得はしなくても理解はしてもらう。
さて、後2発残ってるが……もう嫌な予感しかねえよ!!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます