ミリアの昂ぶり

「あああああああ!!!機人様!!!」


 エルフ族の少女、ミリアは内心で打ち震えていた。


「機人様、わたくしたちの祈りに応えてくださった機人様!

「あのクソゴミの肉袋のヒトカスをぶち殺してくださりましたわ!」


 そして機人様が下さったエリクサー、あれはなんと本物のエリクサーだ。

 エルフの長老たちがえらっそうにそこら辺の根っことか花を煎じて、頭痛も風邪も治せないチンケなまがい物とは違う、本物のエリクサーを与えてくださった!

 

 しかもその素材はヒトカスか我々の魂でよいという!なんということか!

 どんなに酷い怪我を負うとしても、結果ヒトカスを殺せば癒える。

 死んだとしても後のものを救うための礎となる。

 なんと素晴らしい事でしょう!


 私たちはもう無駄死にを恐れなくていい!

 死に意味を、死と闘う心をくださった!ああ!心が震えますわ!!


 そしてあのクソマズイ緑色の猫人のゲロ以下の汚物ですわ!


 あれを機人様は「食事」といって私たちに与えました。

 これが示す意味は一つしかありませんわ!


『お前たちは故郷を失い、逃げるうちに草を食い、泥をすすり、何を思ったのか忘れたのか?』


『麦を食い、豚を食い、心まで肥えて弓を持つことも出来なくなったか?』


『思い出せ、お前たちに「コレ」を食わせた連中がしたことを』


 ということにちがいありませんわ!!!!!!キャーーー!!!機人様!!!

 私達のどす黒い復讐心を刺激するような言動、たまりませんわ!


 さっそくエルフの里のみんなに、機人様の真意を伝えませんと!


 ――機械の体を手に入れたオッサンには知るよしも無いことだが、オッサンが機械の体で出会ったエルフの少女ミリアは、人間族でもふっつーにやべえ奴として賞金首として手配されている、ガチの狂信者であった。

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