第6話


 自宅を出ると、直後に待ち伏せしていた記者の取材要請を受けた。俺は、正々堂々とした口ぶりから推測して、制作中の『鳳凰の舞』に関するものと考えて快諾し、記者を家の中に招き入れた。

「お時間をいただいて、本当によろしいのですか?」

「ああ、いいよ。煙草を買うつもりで出かける途中だった」

「なるほど」と、記者は膝を打つと「マイルド・セブンでよければ、ワン・カートンあります」と、カバンから未開封のマイルド・セブンを取り出した。

 俺は、パイプ煙草に詰める葉を買いに出かけるつもりだった。が、記者は俺の好みまでは知らなかった。

「こういうときのために、用意していました。では……、まずは一本」と、自分の煙草を一つ手渡した。愛想がよく、感じのいい記者だった。通常のケースでは、取材対応をしてもギャランティーは発生せず、丁寧に応答しても自分の考えと異なる記事が週刊誌に掲載された。手土産を持参してくる記者も稀だった。

 普段は、パイプ煙草しか吸わない俺でも、たまに紙煙草を嗜む日があった。だが、記者が帰ったら、紙煙草をばらしてパイプに詰めて吸うつもりにしていた。

 俺は気をよくして「コーヒーを二つ持ってきてくれ」と、ダイニング・ルームにいる綾香に向かって命じた。

「本題ですが……」世間話をしていた記者の目つきが鋭くなった。

「どうぞ、何なりと……」俺は、身体を前のめりにして、質問に備えた。

「実は――凶器なき殺人事件――について当社でも、取り上げる方針が決まりました。ただし、誌面では大友先生の言い分を中心に掲載する予定です。他誌に、あれだけ叩かれたのですから、先生にもおっしゃりたい話があると考えました」

 俺は、絵に関する取材でないのに失望したものの、記者の気遣いに対する返礼のつもりで積極的に答えた。親友の佐々との長年の付き合いの経緯や、関係が良好だった事実を強調した。さらに

「俺に対する疑惑の視線を逸らしてもらいたい」と、願うとともに「佐々の無念を晴らしてやりたい」と、付け加えた。

 週刊誌の発刊前に記者から自宅に電話がかかってきた。俺が固定電話の受話器を取ると、記者は沈んだ声で「大友先生には、申し訳ないのですが、私が取材した内容はすべて割愛され、他の記者が周辺取材したものが掲載される方向に決まりました。正直言って、読むに堪えない内容です。ごめんなさい。本当に、すみませんでした」と告げた。

 俺は、どうせそうなるだろうと予想していたものの、捨て鉢な気分になった。表に出て、胸糞の悪い雰囲気を変えたくなった。俺はフェアレディ・Zに乗ると、海沿いの道を走らせた。スピードメーターの針が上がると、V6・ツイン・ターボ・エンジンの音は快調なものになった。 

 ドライブの途中で喫茶店に立ち寄り、コーヒーを飲み外に出た。道路に出るとき、急ハンドルを切ったため、駐車場のブロック塀を擦り、左側のドアとリア・フェンダーがへこみ、カラフルな塗料が付着した。

 帰路に、自動車整備工場に修理に出した。修理工は「板金が必要ですが、先のお客様から順番に対応しているので、修理できるまで五日間ほどかかります」と見積書を俺に手渡しながら、目を見て伝えた。

 佐々の事件後から、俺はクルマの運転が荒々しくなっていた。他のクルマと、接触事故を起こしそうになったケースもあった。泣きっ面に蜂――というが、不安が多い時こそ、注意と、集中力と、慎重さを必要としていた。俺は、自暴自棄になるほど愚かではなかった。

       ※

 昨日によく似た今日というものはなく、一日一日がそれぞれの個性的な相貌を備えていた。明日も同様だろう――と、俺は想像していた。もし、明日が希望に満ちたものでなかったとしたら、生きるのにどんな意味があるのか?――と、悩んでもいた。

 現実の残酷さにも、マスコミの欺瞞にも、監視の目にさらされる毀誉褒貶の多い人生にも、俺は飽き飽きしていた。不自由な生活は、洞窟のような不安を感じさせた。もはや、生活をしっとりと潤す笑いはどこにもなく、家の内にも外にも幸福は存在しない――と、分かった。

 芸術は、俺が神の領域に近づく唯一無二の手段だったが、どうでも良い気がしていた。裸のモデルを面前に見ても、今の俺は女の神秘性も、内に宿る善良さも、蠱惑的なムードも描出できないのではないか――と、思い悩んでいた。

 油絵の技法は、古典的なものから現代技法まで含めると十種類を超えるものがあり、日々進歩を続けている。俺も、様々な技法を身に着けて、腕前を上げてきた。だが、絵画は技巧的に美しく描くだけではなく、心を写し取らなければ芸術的価値を持たない――と、考えていた。

 画壇の麒麟児と称えられた俺が、世間と呼ばれる移り気な魔物たちに翻弄された挙句、笑いものにされるのではないかと思うと、悲しくなった。一方で、失望の悲しみが、親友を失った悲しみを上回るのは、佐々元親という男に対して失礼ではないかと、理性的に思い直していた。

 フェアレディ・Zは、ロング・ノーズ、ショート・デッキのスタイリングの良さと、アクセルを踏み込んだ時の加速力が魅力のクルマだ。画家として成功し大金が入ってくると、周囲の人間から「そろそろ、ポルシェかフェラーリに買い替えれば良い」とすすめられた。が、俺は国産のフェアレディ・Zにこだわりを持っていた。

 俺の愛車は、板金塗装を終えてガレージの中にあった。事件以来このクルマには、俺が荒っぽい運転をするたび、バンパーやドアに傷を負わせていた。

       ※

 俺が佐々の周辺の聞き込みをしていると、保坂信夫と小山田直樹の二人の影がちらついた。二人とも佐々の職場の後輩で、事件現場にも居合わせていた。警察は嫌疑不十分で、二人を逮捕しなかったが、周囲の見方では完全に疑いが晴れてはいなかった。

 俺は、佐々が酒の席で「自分が上司から叱声を浴びないために、部下を責め立てて恥をかかせたり、陥れたりする者の中にも、出世して高い俸給を受け取る悪い奴がいるんだよ」と、愚痴をこぼしていたのを思い出した。佐々の話を聞いて、俺は出世や自己保身のために、なりふり構わず世渡りする者が存在するのを知り、心底から嫌悪を感じていた。

 伊達は、俺たち二人の話を遮ると「弱肉強食の世界だよ。それが、昔からの世の習いというやつだ。弱気でいては、他の奴らに食い殺されてしまう」と、笑っていた。期せずして、伊達の予言が当たり、世渡り下手な佐々は、何者かに罠にかけられて命を奪われたのか? 想像すると、俺は現実の生々しさに身震いした。

 サラリーマンとしては、佐々自身は人が良いので、憎まれたり、復讐されたりする可能性は考えられなかった。いったい、保坂や小山田が佐々の何を憎んでいたのか、理解できなかった。

       ※

 昼食後、畑沼里奈に電話した。彼女は家にいて、俺が思ったほどには落ち込んでいる様子がなかった。

「色々と大変だったな」俺は月並みな言葉しか思い浮かばなかった。

「あなたこそ、大変だったでしょ」

「佐々は、良い男だった。里奈ちゃんが惚れるだけはある。正直、二人の関係が羨ましかったよ」

「あなたが、煮え切らないからよ」

「あの頃は、俺が画家として成功するなんて夢にも思わなかった。それに、俺よりも、佐々の方が君を幸せにできると信じていた」

 俺は、出された紅茶に砂糖とミルクを入れてかき混ぜると、里奈の表情を確かめた。

「どうかしらね?」里奈はとぼけた表情をしてみせた。

 里奈がホステスとして、水割りを作り談笑する姿は夜のムードを華やいだものにし、浮世の憂さを晴らしてくれた。里奈は、水商売の女にしては、読書家で新聞にも目を通しているので、どんな話題にも応答できた。

 俺が画家だと知ってからは、美術雑誌を購読し始めて話題を合わせてくれた。空気を読み、さりげない気遣いのできる女だった。頭の良い里奈はどんな客にも的確に対応し、誰からも愛されていた。

       ※

 素潜りした後で、水面に顔を出すときと同様に、俺は苦境を脱出し、画家としての人生を再スタートさせたかった。パブロ・ピカソは、親友の画家カルロス・カサヘマスが拳銃自殺したのにショックを受けて、青い色調のモノクロームの絵を描き始める。ピカソの――青の時代――と呼ばれる時期は、娼婦や酔漢、浮浪者などをテーマにした暗い作風が目立っている。

 同様に、佐々が殺されて以来、俺の絵にも絶望や不安が影を落とし、画風が変化していた。芸術は、作者の心の影を写し取るものでもあった。俺の心理状態は、絵に明らかに影響していた。それが、望ましいものになりうるか否かは未知数だった。

 ピカソは、失望から立ち直り、バラ色の時代、アフリカ彫刻の時代、プロトキュビズムの時代、キュビズムの時代、新古典主義の時代、シュルレアリスム時代と、多様な作風の絵画を世に問うている。

 画家になったからには、どんな状況下でも筆一本で勝負し、世渡りしなければならなかった。俺は、画家という職業は――つくづく因果な商売だ――と感じていた。

 絵を描いている時も、集中できずに手を止めて考え事をする時間が増えていた。気分転換のために、一階に下りて綾香とテレビを見ながら雑談した。

 綾香は「佐々さんの事件で、もっとも犯人の可能性があるのは、伊達さんになる。まさかとは思うけど、用心してね」と、俺に注意を促した。

「伊達は、口は悪いが人を殺すような男じゃない。俺たち三人は、学生の頃から兄弟みたいに仲が良かった」

「事件が長引くのは、予想外の人物が犯人だとも思えるでしょ」

「伊達なら、事件当初から捜査線上に浮上して、警察が嫌疑不十分と判断した。それに、あいつの周辺は十分調べただろう? 蒸し返すな」

「でも、何か匂うのよ。どこかわざとらしい」

「あいつは、昔からああいう男だ。事件前から、何も変化していない」

       ※

 凶器なき殺人事件が起きてから、皮肉にも伊達一志との距離感がいっそう小さくなり、毎週会って佐々元親との高校時代の思い出を語り、親友を失った事実に向き合い、お互いを慰めた。

 俺は、伊達の家に行くと、奥さんが出てきて応接室ではなく書斎に通された。壁の三面には書棚が配置されており、自然科学系の本が多く並べられていた。俺は佐々と自分が、小説、美術、哲学などの読書傾向が似ており、本の話になると声が弾んだのを思い出した。逆に伊達とは、読書の話題になると、趣味や嗜好性の違いを強く感じた。

 三人で集まって話したときに、伊達は愛想よく笑いながらも「宗教は人間が創作したおとぎ話で、道徳は弱者が自らを守るための方便に過ぎない」と即断していた。

 そんなときにも、佐々は「伊達の合理主義と冷徹な思考能力には脱帽するよ」と、感心していた。

「佐々は、俺の真の理解者だった。お前には勉強や仕事の相談はするが、恋愛や胸の内の悩みを話しても理解してもらえない。あいつは、お前のようにクールな男じゃない」

「お前もあいつも愚かだ。愚かしさこそが評価できる。俺みたいに計算高い男ばかりなら、安心していられないからな」

「伊達は相変わらず、毒舌家だな。死者を鞭打つなんてなあ」

「俺はいつだって真実の語り手だよ。お前らのように、綺麗ごとでは世渡りできないと思っていた」

「佐々が可哀そうだ。早く、犯人につかまって欲しい」

 伊達は、さも面白そうに笑いだすと

「うまいなあ。お前の演技力は、たいしたもんだ」と、俺を茶化した。

「俺を疑っているのか?」

「お前は、ただのお人よしだ。画家として成功しているお前に、あいつは殺せない」

「それなら、何故演技だと思った?」

「人は、本来冷淡な存在だ。自分の事で精一杯なのに、そんな長い間、他人に同情なんかしないだろう?」

 俺は、伊達の論旨の組み立てが理解できなかったので首を傾げて見せた。

「そんな風に、いい子ぶるところがお前らしい」

「俺は、そんなつもりはない。ただ、佐々の事件を思うと、可哀そうで泣けてくる」

「お前は俺たち三人の中では、一番女にちやほやされるのに未だに独身貴族様だからな。おまけに画家の先生だ。やりたい放題をやって生きていけるなんて、気楽だよな」

「言い過ぎだろう?」

「良い話を教えてやろうか?」

「何の話だ?」

「俺は佐々と賭けをしていた。佐々は、お前が画家としていずれ大成するだろうと、才能を褒めていたよ」

「あいつなら、そう言ってくれるだろうな」

「俺は、あのときお前が落ちぶれる方に賭けたよ」

「酷いなあ」

「ジョークのつもりだ」

「それにしても、酷い」

「まあな……、悪く思うなよ」

「お前らしいよ。ある意味で伊達は俺を見抜いていたと思う。俺に才能なんかなかった。絵の技量にしても、毎日考えに考え抜いて、苦労して身に着けたんだ」

 俺は、伊達の辛辣な口調に慣れていたが、思わず挑発にのり反論したのが、くだらなく思えていた。

 会話が途切れた時、階段を上がる規則正しい足音がした後で、奥さんがグラスに入ったアイス・コーヒーを二つ運んできた。

 伊達はグラスに右手でストローを挿し、アイス・コーヒーを少しだけ飲むと、大切なものを扱うように、くの字に曲がった左手の薬指を撫でた。薬指を右手で撫でる癖は、考え事をしている時に出る仕草だった。

 俺がストローを差し込み、アイス・コーヒーを喉の奥に流し込んでいると、伊達は

「外の景色を見てみないか?」と、俺を誘いバルコニーに出た。

「ほら、あそこに古い教会の建物があって、隣には洋館がある。お前なら、街並みをどう描くのか興味がある。どうだ? 俺のために絵を描いてくれないか? まさか、女房のヌードを描いてもらうわけにもいかないからな」

 振り返ると、奥さんは、まだ書斎にいて布巾で机の上を拭いていた。が、伊達の話に反応したのか、頬を赤らめていた。

 俺は伊達のために、風景画を描く約束をした。奥さんが階下にもどり、俺たちもバルコニーから部屋の中に戻った。伊達のグラスにはアイス・コーヒーが七分目まで残っていて、氷が溶けて水嵩が増えていた。俺は喉に渇きを感じて、アイス・コーヒーを飲みほした。

 伊達は、いつになく神妙な表情で「俺に何かあったら、あいつの面倒を見てやってくれないか」と、涙ぐんでいた。俺は独身だが、モデルの恋人がいる。――佐々の凶器なき殺人事件がきっかけになり、毒舌家の伊達でも弱気になるものなのか――と、俺は考えていた。

 俺は、伊達と話しているうちに尿意を催し、一階にあるトイレを借りた。奥さんは別室にいるのか、近くに姿はなかった。トイレの壁面には、小さな額に入ったハワイの風景画がかけられていた。俺が描いてプレゼントした絵の一つだった。

 リビング・ルームにも、静物画が掛けられていたのを思い出し、見てみた。すぐに、絵の難点を見つけて、伊達との約束通り新しい絵を彼のために描こうと決意した。二階の書斎に戻ると、俺は絵の件を持ち出した。

 伊達は「画材を持ち込んで、この部屋から描いてくれ。毎日、家を訪ねてくれてもいい」と告げると、俺の顔をしげしげと眺めた。

「また来る。今度は画材を持ち込んで、しばらく悪戦苦闘してみるよ」俺は伊達に告げると、二階から下りた。いつもなら、玄関口まで見送りに来る伊達が

「野暮用があってね。今すぐ、電話しないといけない」とスマホを耳に当てた。机に置かれた伊達のアイス・コーヒーは氷が溶けていたが、まだ六割グラスの中に残っていた。

 俺は、伊達を書斎に残して階段を下りた。リビング・ルームには奥さんがいて、椅子に腰かけて寛いでいた。俺の足音に気付くと、奥さんは立ち上がり

「もう、お帰りですか?」と尋ねた。

「ええ、今日は帰りますが、来週また来ます」

 伊達の家を出て、駅前の駐車場に向かっていると、奥さんが慌てて追いかけてくるのに気づいた。俺は咄嗟に、忘れ物かと思ってポケットを探ると、長財布や小銭入れ、キー・ケースがあるかどうか探った。

 奥さんは、青ざめながら「待ってください。待ってください」と呼び止めた。俺は立ち止まると何があったのか尋ねたが、奥さんは要領を得ない話し方で、興奮気味に何やら言葉にしていた。

「とにかく、家に戻ってください」

 懇願されたので、俺はさっき後にしたばかりの伊達の家に戻った。戻ってすぐに、伊達のいた二階の書斎に行くと、彼は床に倒れて泡を吹いていた。

「奥さん、すぐに救急車を手配してください」

「えっ?」奥さんは取り乱していた。

「一一九に電話して、住所を伝えてください」

 俺は伊達を抱きかかえ、書斎の奥の簡易ベッドに寝かせると、楽な姿勢を取らせた。脈はなく、すでにこと切れているかに思えたものの、俺は「奥さん、気を確かにしてください。救急車が到着すれば大丈夫です」と励まし続けた。

 原因が分からないままに、俺は救急車に乗り、病院まで同行した。救急隊員は、二人がかりで伊達の脈をはかると、心肺蘇生法をやり始めた。奥さんは俺の横にいて青ざめていた。俺は救急車の中で喘ぎながらも、重たい空気を吸っていた。伊達は、蜜蠟で作られた人形のごとく冷たく見えた。

 病院までの道程が、随分と遠く感じられた。院内に佐々の身体が運び込まれると、医師が佐々の脈をとり、ペンライトで瞳孔に光を当てて反応を見た。

「すでに、息を引き取られています」担当医は淡々とした口調で告げた。奥さんは、しゃがみ込んで、口の中でぶつぶつと言うと、何か考え事をしていた。

「死亡原因を調べるので、しばらく時間をいただけませんか?」と医師は確認した。

「ええ」と、力なく頷く奥さんが気がかりなのか、年輩の看護師が背中をさすっていた。

「大丈夫ですか? 気分が悪いのでしたら、少し横になってください」

「ここで待たせていただきます」奥さんは、小さな声で答えた。

 俺は、励ます言葉が見つからず、病院の廊下を檻の中の熊と同様に何度も行き来した。

「伊達さん」奥さんが俺の存在を思い出したのか「私一人で大丈夫ですから、今日のところはお引き取りください」と指図した。

 奥さんに促されて、病院の外に出るとあたりはすっかり暗くなっていた。街灯の下でタクシーを待ったがすぐには来なかった。

 綾香の意見を聞いて、一瞬でも伊達を疑った自分を責めていた。帰宅すると頭の中が混乱し、ベッドに身体を横たえて寝付けないままに夜を明かした。俺は、頭の中であらゆる可能性を秤にかけている間中、心臓の鼓動が激しくなった。

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