第20話 僧侶とザマァ2

「ではまずはハズレカナ様について、僭越せんえつながらわたくしから解説させていただきますわ!女教師モード!むちむちプリンセス!」


「属性を盛るな。ただでさえこぼれそうな程モリモリなんだから」


「教師は嫌いでしてカワイイヨ?」


「教え方によりますかね。まあその格好で教壇きょうだんに上がろうものなら速攻指導でしょうけど」


 ハイレグから取り出されるはメガネー!メガネだーっ!属性を倍々に掛けていくーっ!


「ハズレカナ様はツイホーケイ様率いるパーティの僧侶ですわね。僧侶ながら防御魔法に定評があるそうで。

重装兵のザマァ様とはよく切磋琢磨せっさたくましていらっしゃるとか、いないとか」


切磋琢磨せっさたくま……ライバルなんですか?」


「正確には、よくギルドで作戦方針で言い争っている場面が目撃されているそうですわ」


「……仲、悪いんです?」


 カワイ、ハズレカナに尋問じんもん

 珍しく乗り気かもしれないカワイイヨ!染まってきたなカワイイヨ!


「まあ、俺はザマァに好かれてはいないだろう。

俺が防御魔法を使うと、全体の被ダメージが少なくなって重装兵はおとりとしての仕事をしなくても良いことになる。

ザマァの役割が実質なくなるから、作戦方針で揉めることが増えたのは事実だ」


 ハズレカナは寝ているザマァを凝視ぎょうし

 その顔はどこか悲しげ!カップルが男湯と女湯に別れて風呂から出てきた後まだ相手が上がってなかった時の面持ち!


「だからツイホーケイが俺達の間のわだかまりをなくせるようにと、この浴場を貸切にして話し合いをする機会をもうけてくれたんだ」


「確かにこの時間、婚約混浴はツイホーケイ様御一行ごいっこうで貸切予約が入っているようですわね」


「他のお二方は?」


「いないよ、あくまで俺達の問題だ。彼等には迷惑をかけている」


 伝家の宝刀!うれいを帯びた遠い眼差し!彼女のファンはコレでイチコロだーっ!

 (解説)ハズレカナはそのシャープな顔立ちでギルドの女性にファンクラブが作られる程の大・人・気!ゆえにザマァは面白くないんですね〜これが。


「現場にはザマァ様とハズレカナ様お二人だけ、些細ささいな理由で喧嘩けんかしてしまったと」


「そうです。だから、この件は」


。ある手がかりが示しています」


「!!」


 ハズレカナ、嘘を見破られ困惑!果たしてその手がかりとは!?


「……ザマァ様の、ですわ」


?」


「……ですわね」


 ネージュ、ザマァのあたりに指を突きつける!おっと少し赤くなっているか?ここにきて恥じらうのか!?


「え、なんですプリンセス?ハッキリ言ってほしいんですけど」


「ザマァ様のマァ様ですわよ!もう!」


「ザマァのマァ!?」


「ハズレカナさんは復唱しなくていいですよ」


「ザマァ様のマァ様はこの通り、バスタオル越しでも分かるほど元気を失っておりますわ」


「さっきから全然見てないのに何が分かるんだ。というかマァ様って、おち○ち○のことですよね。何でハッキリ言わないんです?」


「カワイイヨ!今がウルトラセクシーダイナマイト深夜テンションだからって王女たるもの口にして良い言葉と、してはイケない言葉があるのですわよ!」


「下ネタにセクシーはカケラもないけどな」


 カワイ、容赦ようしゃなし!

ネージュは全力全霊で明後日あさっての方向を見ながら推理続行!


「果たして、何故ザマァ様のマァ様は元気が無いのでしょうね?」


「冷えたからじゃないですか?バスタオル一枚で寝ているし」


「へぇ……時に話は変わりますが、なぜツイホーケイ様はわざわざ貸切にする必要があったのでしょう?」


「……!それは……」


「その理由にザマァ様のマァ様が深く関わっているのですわ!」


「ザマァのマァが!?」


「だから復唱しなくて良いですって」


 ネージュはメガネをクイクイしながら婚約混浴の入り口に歩いていく!その様はまさにIt's so Sexy!SexyがMeganeでBON☆CU☆BON!


「婚約混浴はその名の通り、基本的にねんごろな仲の男女が貸切で使用する浴場となります。そのためか、色々と充実しているのですわよね」


「え、何があるんですプリンセス?わたし凄い気になります詳しくお願いします」


「いい感じのBGM、いい感じの照明、あと、天井を開けたりできますわ」


 ネージュスイッチオン!鳴り始めるいい感じのBGM!あたりを薄桃に染めるいい感じの照明!あと、開く天井!満天の星々が真実を照らし出すーっ!


「これらの機能を活用して貴女はザマァ様と果たさなくてはならないことがあったのです!」


「ザマァと俺が……?何を……」


「ご自身がよくご存知のはずでしょう?ハズレカナ様。……いえ、ハズレカナ様のマァ様!」


「俺のマァが!?」


 ハズレカナは思わず股間を押さえる!そこに当然ハズレカナのマァはないが!圧に負けてなんとなく押さえる!!!


「現場にはザマァ様のマァ様とハズレカナ様のマァ様。

いい感じのBGMといい感じの照明と開く天井の下にライバル同士のマァ様が集ったのならば、やることは一つ。

マァ様のマァ様によるマァ様のためのマァ様でマァ様を洗う決闘!」


「わかりにくいな。もう言い切ったら?おち○ち○って」


「オチ○チ○の

オチ○チ○による

オチ○チ○のための

オチ○チ○でオチ○チ○を洗う決闘!」


「オチ○チ○の

オチ○チ○による

オチ○チ○のための

オチ○チ○でオチ○チ○を洗う決闘……だと!?」


「ちょっと待って」


 自分で言っといて慌てるなカワイ!

 ネージュは推理劇の終幕フィナーレを高らかに告げる!


「結論は出ましたわね、この事件の真相!それはザマァ様とハズレカナ様がこの貸切婚姻混浴で仁義じんぎなきオチ○チ○バトルをし、ザマァ様が敗北したということですわ!」


 推理劇は斜め上に整った!

 今明かされる、衝撃のオチ○チ○――

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