第09話 太陽の女神と巫女の顔

第34話 太陽の女神と巫女の顔

後輩の長城さんの体調が思わしくない。

服薬の方法が変わった、正確には変えたので、

精神的な調子が一定を保てないと人伝に聞いた。

青春の半分以上をインドア・キャンプで過ごして

アマテラスオオミカミのように

もう一度外界に出る勇気を出したのに

インドア・キャンプ再開の準備を、又、いそいそと始めている。


アマテラスオオミカミは女神で、太陽神と巫女の顔を併せ持つ存在。

確か神話で、洞窟に避難したんだっけ?


家内は長城さんの良き理解者で

家内も又、アマテラスオオミカミ系の人物故に

寄り添え合える部分が多いのだろう。


僕は自律神経失調症の暴走で、6月27日から10月3日迄

鴻峯商事を長期休職した。

只でさえ、酷暑の中で、暑さ対策が利かない身体。

非常に危険だとは思わないか?


家内が危惧していた、心療内科への入院は

まさに洞窟への非難に他ならない。

四方を厚い壁が覆い、外界との連絡が断たれてしまう。


そろそろ家族マージャンの時間だ。

先程は、三人マージャンで我を見失ってしまった。愚の骨頂。

実父は、四人ですることだから仕方が無い

と、ゆったり構える。我が親ながら見事な達観だ。


アマテラスオオミカミ論議は終わっていないが

独りごちても始まらないので

頭を切り替える契機にしたい。

家族マージャンまで残り時間4分、

仏間に降りて、通信対戦の準備を始めないと。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る