コロンブス
「コロンブス」
個人的に「うーん」と気になることが話題になっていたのでここで取り上げたいと思います。
きっかけは「Mrs. GREEN APPLE」という日本のバンドが「コロンブス」というタイトルの新曲のMVを発表したことです。
そのMVは、コロンブス、ナポレオン、ベートーヴェンぽい姿に扮したメンバーが、類人猿ぽいコスプレをした存在に人力車を引かせたり音楽などの文化を教えたりするという内容のもので、発表直後から人種差別的だとして大炎上しました。その批判の多くは、コロンブスが犯した歴史的な虐殺に基づいたもので、個人的にその批判は納得のいくものです。
びっくりしたのは、それがコカ・コーラのCMに起用されたものだということ。
アメリカに本社を置く海外資本とはいえ、国内向けの販促に関しては基本的に日本法人が主導しているでしょうし、それでいてこの内容はちょっとと擁護のしようがない感じです。
もちろん、人それぞれさまざまな教育課程を経ているわけであり、コロンブスはアメリカ大陸を発見した航海冒険者である、という認識の人が大半だと思います。
でも世界的に見たら、この人が行なったことはじっさいには侵略で、現地人を虐殺したり奴隷にするなど、その後のヨーロッパ各国による人種差別や奴隷貿易の基礎を作った人のひとりです。たしかに大海を渡った功績はありますが、恐らくそれは証拠や記録が残っていないだけではるか古代の人間も成し遂げたことだと思います。
近現代的価値観においては、彼は確かに偉人ではあるけども、基本的には反面教師とするべき存在であって決して称える存在ではありません。「コロンブス」と聞いて「あのアメリカを発見した歴史上の偉人」(じっさいはアメリゴ・ヴェスプッチが発見者)という認識だけに留まるのは危険です。
同じく歴史上の人物って、現代的な価値観で見るとわりと激ヤバなエピソードが多いので、普段から気をつけないと、例えば「ヒトラーはいいこともした」並に激ヤバな主張をする人になってしまうので本当に注意が必要です。
ちなみに歌詞はそこまで批判されるようなものではなく、やはりMVの表現が……というのが今回の炎上のきっかけですので、ミュージシャンだけでなく事務所やスポンサーもその認識に留まっていたのだろうな、という気がします。
人の名前はその人の人生を一言で表すものですから、その人の様々な功罪や発言などを引用するのであれば、それが今生きている人たちにどう受け止められるかくらいはきちんと精査するべきだったと思いますね……。
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