君はどの惑星から来たの
先日の対アメリカWBC決勝は白熱しましたね。大谷翔平の投球と仲間への鼓舞が爽やかで見ていて気持ちが良かったです。
個人的には準決勝メキシコ戦が終始リードを許し気の抜けない試合として面白かったです。やはり「全員メジャーリーガー」は今大会最大の強敵でした。それでも守備で守り耐えて、手堅く点を取りつつ最後の最後に展開をひっくり返す、ああいう逆転劇をカタルシスと呼ぶのだと思います。栗山監督のあのタイミングでの代走指示もまさしく神采配でした。
さて今回、選手たちの輝かしいプレーの数々が飛び交う中で、「伝説になれ村上」や「泥だらけのストッパー」など、実況解説席からも数々の名言が飛び出しました。
というのは既に各所で話題になっているとおりなので、今回は決勝戦後の大谷翔平インタビューで米メディアが質問したこの言葉について。
「君はどの惑星から来たの?」
これに対して「日本の田舎というかね、ほんとにあんまりこう、チームも少ないようなところでやっていた。日本の人たちからしても、頑張ればこういったところでできるんだってところは良かったんじゃないかな」というのが大谷翔平の回答でした。ジョークにも生真面目に返すところが大谷翔平らしいですね。
ふと気づいたんですが、欧米(と言うよりアメリカ?)の方々は、相手を揶揄する際にたびたび宇宙的なスケールでジョークをするような気がします。
自分の好きな映画『ラ・ラ・ランド』(2016年)で、主人公のセブ(ライアン・ゴズリング)がレストランのオーナー(J・K・シモンズ)にクビを言い渡されあたふた弁解する場面で、オーナーが「宇宙人か?」と問い返します。これは「言葉が通じないのか?クビだ」という言外の意味があります。
もちろん大谷翔平インタビューでは、あまりにも人間離れした活躍から生じる「規格外」的なジョークではありますが、おそらくこれも倫理コードというか、出身地を揶揄するのは直球の差別になるので宇宙的なスケールで話さざるを得ない、という理由もありそうです。それでも実際に地球上のどこかの場所をあげつらったり揶揄するよりは、はるかに配慮されたジョークではあります。
とはいえ、それでもなおその言葉を放つタイミング・場合・相手によって意味が180度変わってしまうのは、言葉が持つマジックとも言えますね。
こうした言葉の端々から些細な文化の違いを感じとってしまうのは癖みたいなものですが、日々の表現活動のなかでは非常に楽しい一瞬であります。
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