決着をつけますわよ!
さすがにいつまでも舞踏会場で騒いでいても仕方ありませんし陛下とお父様たちと共に、陛下のプライベート区画にある応接室へ移動しましたわ。
陛下はソファに座ると疲れたように
「其方は……公爵令嬢としてこの国を愛してはおらんのか……?」
などと、しょんぼりと萎れた陛下を見ていたら、わたくし腹が立ってきましたわ。
「陛下、ご自身とご子息が引き起こした今回の事をまるでわたくしの所業みたいに言うのはお門違いではございませんこと?」
「こ、これ!いい加減にせんか……陛下になんという口を……」
「お父様はダマらっしゃい!」
「ひっ……」
「わたくしは『帝国皇位継承第三位』であり、帝国から『王国の件について全権を任せる』との書状もいただいておりますわ!なのでわたくしは、全権大使としての立場で発言しております。それを踏まえて発言しなさい公爵!」
「全権大使だと……」
流石に陛下も唖然とした表情を隠せておりませんわね、まぁ当然ですけども。
さっきまでわたくしも知りませんでしたし……『コメント』さんが、【書状家に送っておいたよー】って教えて下さって初めて知りました。
「さぁ陛下、この先王国をどうなさりたいですか? オススメは属国一択ですけど」
「そ……それは嫌だっ!」
「まぁ今回は婚約破棄未遂でございましたし、はっきりした事実としては皇女を『舞踏会という衆人の集まる場で侮辱した』という事実だけですわね……ご子息となんとかいう令嬢を帝国に差し出せばすむ可能性もないわけでは……」
「分かった! あ奴は廃嫡の上勘当する!女の方も家を取り潰すし身柄も引き渡す! だからなんとか穏便に済ませてくれ! 頼む!」
そう言いながら陛下が、床にはいつくばって地面に頭をこすりつけて頼み込んできましたわ……え?あぁ……はい、わかりましたわ。
「では陛下……両名の身柄はわたくしが預かります。王太子は廃嫡など特にしなくてよろしいそうですわ、その代わり五年ほど帝国で再教育を受けてもらうと……令嬢の両親は特に問題のある育て方などをしたわけではないそうなので、当主をご子息に譲り隠居していただくだけでいいそうです」
「そ……そうか……感謝するぞ……」
「いえ……特にそのような事はしていただかなくて結構ですわ……後日身柄を受け取りに来させますのでお願いしますわね」
「分かった……」
何やら安堵してる国王陛下を見ると、やっぱりこの国はだめですわね……まぁどうでもいいんですが。
◆◇◆
「ちょっと!この首輪どういうことよ!」
「あら……婚約者のいる男性に色目を使う発情した女狐にふさわしいアクセサリーだと思うのだけれど?」
「普通こういうざまぁされた後って修道院とかにおしこめられるもんじゃないのっ!」
ギャーギャー泣きわめく女狐がうるさいですわねまったく。
「馬鹿な事を言わないで頂戴! 修道院というのは敬虔な人々がひたすら神に祈り静かに暮らす場所ですわよ! そこを犯罪者収容施設みたいな扱いなどするわけがありませんわ!」
「えぇ……じゃあ私どうなるのよ……」
「わたくしが監督する犯罪奴隷としてこき使って差し上げますわ! 勿論!きちんとした働きが出来なければ、まともな衣食住も与えませんから覚悟なさってね! まぁ温室育ちの貴族令嬢にまともな仕事ができるとは期待しておりませんけど、まずは下働きから覚えてもらいますわ」
「ど……奴隷なんて冗談じゃな……ぎゃあああ」
「……反抗しようとすればするほど、首輪から発せられる痛みが増しますからお辞めになったほうがよろしくてよ? さぁ、誰かこの奴隷を仕事場へ連れて行ってちょうだいな」
こうしてゴミ掃除のひとつは終わったのですわ……そういえばあの後すぐ騎士団長も辞職されて、ご子息と二人だけで山へ修行だと消えて行ったとか……。
残った
◆◇◆
数年後、王国に戻った王太子は父である国王を即引退させ離宮へと幽閉し、帝国での生活で花開いた才能を遺憾なく発揮して王国をまとめ上げ、長年帝国と協調路線を貫き通し、のちに帝国へ帰順し帝国貴族として生涯を終えた。
その傍では、婚約者であった帝国の皇女ウァルスギーネがずっと寄り添い支えていたという。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
長々とお読みいただきありがとうございました。
洗脳って怖いですね(白目)
悪役令嬢ですって? おーっほほほ! 寝言は寝てから言えですわこのクズどもがぁっ! 流花@ルカ @Ruka11111111111
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