第6話 パート5 最終話です

「クロヤギ」からいつもの手紙が来た。

 コードネーム「シロヤギ」の俺は貼ってある切手の部分だけを切り取った。

 そこには極薄のチップが隠されている。


 今回の任務の内容を特殊な装置によって読み取るのだ。

 よって手紙を読む必要はない。


 問題はこの切り取ったあとの手紙だ…

 燃やす…?

 この部屋は火気厳禁だ。

 そんなことで大家に怪しまれるのは困る。

 俺は真面目なのだ。


 細かく切って廃棄しても時間を書ければもとに戻せる。

 ああ、仕方がない…。

 いつもの処分方法にしよう。


 食べよう…


 いろいろ工夫しているけれど、どうも繊維質がな…。

 どうして本物のヤギはこんなもの食べられるのだろう。


 ああ、そうだ…

 アマゾンで食べられる手紙って売っているんじゃないか…。

 それにしてくれよな…

「チップを確かに受け取った」という返事の手紙に、勿論そんなことは絶対に書かないが、

いつもいいものを送って頂いてとか、

時候の挨拶として書く返信の手紙に、

「次回から食べられる手紙」にしてくれって書こう。

 それだけなら誰に読まれたって問題ないしな…。


 でもこの時代、誰に触られたかどうかわからない手紙を食べるのも…。

 熱湯消毒すればいいのかな…



「シロヤギ」から手紙が来た。

 チップを受け取ったということだろうな…

 任務を遂行してくれることを望むだけだ。

 読む必要はない…。


 さて…問題はこの手紙の処分なんだよな…

 燃やす…?

 このマンションは火なんてまったく使わない。

 コンロからしてIHなんだぜ。

 俺は真面目なのだ。


 水曜日と土曜日の可燃ごみの日に出すなんてもってのほかだし。

 いつもの処分方法にしよう。


 食べる…


 どうして本物のヤギはこんなもの食べられるのだろう。

 舌に当たるんだよな…紙片が…。

 まずは細かく切り刻んで…

 うん…?


「次回は○○…って書いてある…」

まじか…もうみじんぎりぐらいにしちゃったよ…。

 味噌汁にいれちゃったよ…

 しょうがない…


 チップに加工はできないから手紙を書こう。

 電話やメールでの連絡は禁止されているし、住所はわかるけれど直接の接触は禁止されているから…。


「前の手紙の用事ってなんだった…」



*****

 苦しいな…。

 ヤギじゃない設定です。

 シロヤギ、チップのない手紙もらって…

 なんだ…ってなって

 クロヤギに手紙を出して…。


 少しはループになるかな…。

 

***

 どうでしょう、「パート3」が一番妥当ですか…。

 本当に昔から気になっているのです。


 どなかたいい案がないでしょうか…

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手紙(あの歌のなぞ) @J2130

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