装狂演譜クリエール リフレイン

第22話 クリエールRF リフレイン

前書き

人類鑑定装置リーガル・オピニオン


2週目の人生というゲームに囚われたリエ。


脱出が遅れれば人類とシカの全面戦争に巻き込まれることとなる



本文



装狂演譜クリエールRF  第0話 リフレイン






もう何週の人生をこの箱庭で過ごしただろうか。


終わらない学園生活。未来が分かるうえ


チートパワーな魔法も使える。


世界征服もしたし、数字を当てる宝くじも当て放題。


預言者として崇められ、果ては海すら割って見せた。




私はクリエ・リエ。真紅のツインテールで頬に・・・。


これも何度目だろうか。私はもう壊れていた。


だって同じ生活だもん。ゲームだって飽きて別のを


プレイしたくなるでしょ?それと同じ。


きっと出口はあるんだろう。それを探すことすら諦めてしまった。




ーイクシア学園 購買部ー


無気力なまま購買に向かう。


そうだ、全てはここから始まった。ランいいえ、蒼転寺ランとの出会いが。


ここらが潮時かもしれない。


もうこれ以上ランに迷惑をかけるわけにはいかない。


この世界が本物にしろ偽物であろうとも。




ーイクシア学園 渡り廊下ー


人気のパンを買わず歩いていると階段から少女が語り掛ける。






GM    「君が紅先輩かぁー。若干暗いなぁ?」ニシシ


リエ   「あなた私と同じ学校だった?それとも負けた逆恨み?」


GM    「そんなんじゃない!僕は紅先輩の敵であり味方でもある!」


リエ   「ああ、そう。じゃあそういうことで。


     私病んでるんで。忙しいんで」




金髪で仮面を付けて髪はワックスで固めたのかカクカクしたロングヘヤ―。


僕っ子で挑発的な笑いが響く。制服のリボンから察するに


私と同じ1年。今は正直誰も相手したくない。


ただ家に帰って一人になりたいが故の塩対応






GM    「僕はゲームマスターなんだぞ!話聞け!」ぷんぷん


リエ   「確かに今までのルートでは出なかったものね。


     あなたがプログラムという可能性もあるけど」


GM    「先輩はゲームに囚われた!開放されたければ


     僕の提示するミッションをクリアしてね!!


     さもなければ!!人類とシカの全面戦争が始まるぞ☆」


リエ   「帰っていいですかゲームマスターさん。


     次の授業があるので」


GM    「しょうがない。君の大事なものを人質にしよう!!」




そういって、幾何学模様の魔法陣を出した後、手を突っ込んだ。


私の装狂演譜が狙われた!!クリエールが敵の手に渡る?


そんなことはあってはならない!!




GM    「紅先輩の象徴は頂いた。


     世界の命運なんて先輩は気にしなくていい。


     ただこの機体を取り返すだけ。簡単でしょ☆」


リエ   「あなた!非道ね!!」


GM    「ようやく目が覚めたみたいだなぁ!紅先輩ィイイ!!


     ごきげんよう!ヒャーハハハハハ!


     アーハッハハハ


     ヒャハハハハハハハハハ


     ゲホッ、あーゼエゼエ、ふう」




直後スマホがピロンと音を出す。

通知一件


”ミッション 蒼転寺ランと戦え”




私の日常は崩壊した。


本当は心のどこかで願っていたのかもしれない。


この世界の終焉を。未来への希望を。






しかし困ったことになった。クリエールがない以上


ランと戦うのは無理。少なくとも購買のパンで因果フラグ


立てない限り一周目に持っていくのは難しい。


いや、私の相棒を作り直すのが先だ


困ってるようだな?リエ。


誰かが私の思考を邪魔している、いや今は一人にしてよ


リエ!!人の話を聞け!!


うるさいな!誰なの?今忙しいの!!!




紅   「全く不甲斐ないなリエよ」




スマホから声がする。いつもツンツンして仲良くなるタイミングを


逃していた紅だ。私の厨二人格。


魔法少女の世界では、機械の体になってたっけ?


私と同じ真紅のツインテール。


耳にはナイフをモチーフとしたカフス・イヤリング


衣装はゴスロリ服。本名?は紅の双璧くれないのそうへき




リエ  「いたなら早めに来なさいよ。何週この世界で


    過ごしたと思っているのよ」


紅   「おかしなデータがもぐりこんだのでな。


    後を付けたらリエの世界だったという訳だ。


    決して70億のデータからリエを探していたわけではない」


リエ  「ありがとう紅。正直寂しかった。ずっと一人だったから」


紅   「うわああああ、リエ!!ガチトーンで言うのやめろ!!


    俺は善意に弱いんだ!」


リエ  「このやり取りも久しぶりね。紅おかえりなさい」


紅   「・・・ただいま」ぷいっ


ラン  「そろそろ授業が始まりますよ?独り言後輩さん♪」


リエ・紅「・・・見られてた!!!」




お待たせ!私はクリエ・リエ!!堂々の復活よ!!


やっぱシリアスって肩こるのよねぇ。


日常生活でストレスたまってる時に


暗い展開の話なんて見る方も辛いでしょ?




現状を整理しよう


1、ゲームの世界に囚われた私と、謎のゲームマスターの襲来


2、クリアして人類とシカの戦争を回避する


3、私の愛機が奪われる


4、課題をクリアする以外脱出方法は不明




いや、シカと人類の戦争って何よ!!!意味わかんないんだけど!!


いたよ!!シカ!!スミレさんの師匠ん家に!!喋るのが!!


とりあえず4の方法を試していくしかない。




ー放課後 リエの自宅ー




装狂演譜のシステムに紅が侵入。ランのプログラム(スパゲティコード)を解析し


紅が実際にバトルできるようになった。


クリエールの代わりになるか分からない。


けど今の手札ではこの手しか切れない。


15cmの機械素体に武装を取り付けるロボットホビー、装狂演譜。


まさか紅と一緒に戦うことになるなんて!


女の子素体をパテなどで作り、紅のデータをインストールする。


思ったよりも可動は良好。


ロボットダンスだったら爆笑してたけどwww




ー放課後 ランの屋敷 寝室ー


ラン   「侵入者?ええ、分かったわ。データを貰えるかしら。


     同じ学園?しかも今日の独り言後輩・・・。


     本件は様子見とし対象を泳がせる!!


     蒼転寺ラン命令である!!繰り返す!本件は様子見よ!!


     データは必ず取って頂戴!


     もしかしたら、別分野に転用できるかもしれない!!」




黒色のスマホを机に置き、ランはつぶやく




「(深いため息)クリエ・リエ。別名紅の双璧ねぇ。


でもどこか、遠い昔に彼女たちを見た気がする」

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