第17話 スミレと異世界修学旅行 スミレの過去と叶わぬ愛

皆さんお久しぶりです。僕のことを覚えていますか?


といっても名前は結局紹介できなかったけどね。


一応敵cといえば通じるだろうか。


金髪でワックスを使ってカクカクした髪型。


仮面を付けない日は諸事情により厚化粧だ。


本名ロベリア・フェローチェ


因みに薬局で仕事してたのは、悪の組織の給料が低いからだ。




今日はせっかく暇ができたのでナーラ県まで出向こうと思う


なんせ僕の師匠がいるからね。








ロベリア「師匠ぉおおお、おひさしぶりでぇえええす」


師匠  「(引き気味)モノローグとキャラが違うじゃないかい」


シカ  「ははは、相変わらずだね。ロベリア」


ロベリア「げっ、シカいるし!!今日はちょっち用事思い出したわ!」


シカ  「いや、何もしないから安心してクマ」


師匠  「いまさら何をしに来たんだい?」


ロベリア「いやぁ、WGs抜けたから挨拶にと。


    これで私は自由の身ってやつですよ!!」


シカ  「私その団体のトップだシカ」(溜息)


師匠  「まだやってたのかい!!いい加減諦めな!


    悪の組織なんて!!!」


シカ  「恐らく紅だろうな。彼女の戦いに何かを感じたシカな?」


ロベリア「紅、紅、うーん」頭傾げ


師匠  「赤色で髪の毛2つに分けたツンツンしてるやつだよ」


ロベリア「ああ!!あの姉妹の!!いつも薬局に来てるよ?」


シカ  「(引き気味)どうやら思ったより世界は狭いシカ」


師匠  「おや?知り合いかい?さっきまでいたんだよ。


    紅とスミレで戦って私は負けたけどね」


ロベリア「ふぉおおおおおおお、スミレが来てたの!!!!!!」




何と衝撃の事実です!!スミレが師匠に勝ったのです。


やっぱりスミレはすごい!!!




シカ  「ビデオあるけどみる ロベリア「見ます!!!!!!!」


師匠  「さらっとセリフの枠を吹き飛ばすんじゃないよ」




さっすがスミレ!!!赤いのも負けるなー!あれ?




ロベリア「スミレって2丁拳銃でしたっけ?」


師匠  「おや、ロベリアが知らないのは意外だね」


ロベリア「師匠の道場を破門されたスミレに私はついていったんだけど、


    スミレに捨てられちゃったんです。武者修行に行くと言って。


    私弱かったですし」


シカ  「スミレと比べたら誰だって弱いさ、気に病むことじゃないシカ」


ロベリア「いえ、私はまだまだです!!スミレと共に世界だって


    狙えたはずです!!なぜなら扉の陰に隠れているスミレ・・・


    すみれえええええええ、久しぶりぃいいいい」抱き付き


スミレ 「何故でしょう?しっかり隠れていたはずなのに?」


師匠  「覗き穴なんて1cmでいいんだよ!!なんでいっぱい開けた!」


スミレ 「障子に穴開けていたら楽しくなってしまいまして♪」


師匠  「破壊衝動はいまだ健在かい」やれやれ




なんと私もスミレも箱菓子を持ってきたではありませんか!!


そうこれは運命です!!


こ、これはナーラ県のおみあげ!!プリンにモナカにクッキー!!


じゅるり!!モナカやクッキーは常温保存できるのでいいんですよ!


例えば電車での移動の場合やっぱりチョコだと溶けちゃうじゃないですか。


暖房とかでね。形が変わっちゃう!媚を売るためのツール・・・もとい


旅行や出張した際のヘイトを減らすためにね♪


だから私はクッキーを推しているんです!!


クッキーはいいですよ?クッキーは畑からとれますから!!!




師匠  「ロベリア。あんたクッxークリッカーやってるのかい?」


スミレ 「あら師匠、気合さえあれば異世界からクッキー運べますよ?」


シカ  「気合で異世界飛べるスミレ君はよくわからないシカ」


スミレ 「ホントはラン様たちと食べる予定だったのですが


    周りの人間を含め意識がなくなっていまして、


    師匠に救援を求めたわけです」


ロベリア「もしかしてシカちゃん、アレ使ったの?」


シカ  「ああ、人類鑑定計画リーガル・オピニオンをな」


師匠  「その何とかって何とか私達に効かないじゃないか」


シカ  「人生2週目を与えられて欲を出さない人間を鑑定する。


    その人間たちで新たな惑星に行き、楽園を作るのが目的ダイ


    師匠もロベリアも自身の過去を受け止めたシカ」


スミレ 「私は一周目以上の出会いはないと思っています。


    故に同じルートを通りました」




ロベリア「やっぱり私はあなたの練習台だったの?」


スミレ 「口調を崩していいですかロベリア様?」


ロベリア「いいわスミレ。話して」


スミレ 「結果論だけどあなたを修行に連れて行かなくて正解だと思ってる。


    強さだけを求めて私は悪に堕ちた。師匠の術で好き放題しました。


    受験や就職試験の替え玉、果ては離婚の手伝いまで。


    そんな状態をロベリアに見せたくないわ」


ロベリア「そんなことじゃスミレを嫌いにならないよ?」


スミレ 「かといってあなたを愛することはないと思います」




スミレは手袋を取り左腕の指輪を見せる




ロベリア「お相手はお医者さんですか?」


スミレ 「一応カモフラージュはしてたはずだけどね」


ロベリア「あまりにも不自然だったから薬局の要注意客として


    マークされてたよ?」


シカ  「何やってたんだスミレ?」


スミレ 「ただ”分身してレジに並んでた”だけですよ?


    時間短縮の為に」


ロベリア「スミレ、人間は普通分身しないの」ドン引き


スミレ 「ちょっと修行すればできるのに・・・」いじいじ


シカ  「いじける理由が異次元シカ」溜息




師匠  「スミレ、流石に過去をぶり返すわけじゃないけど、


    ナイフでの試験。ロベリアの顔に傷をつけた件は


    謝ったほうがいいと思うけどねぇ」


ロベリア「大丈夫ですよ♪”一番倒したい相手”に私を選んだ時点で


    それはもう愛情表現です!嬉しかった!スミレ!!!」


スミレ 「私より強かったあなたを倒したかった。ただそれだけですよ」


ロベリア「そのお医者さんは強いんでしょうね」


スミレ 「ええ、当時の私では仕留めきれませんでした。


    ところが命のやり取りを見世物やショーと勘違いした人たちから


    声援やおひねりを頂きまして。その中にリエ様、キキョウ様、


    そして紅様も。


    私の殺気を感じ取った紅様もまた悪鬼に堕ちてしまいましたが、


    仲間たちに恵まれて今では笑顔でいます」


シカ  「驚いた!君が紅の師匠だったとは!」


師匠  「その割には隙だらけだったよあの子?」


スミレ 「再会したのは最近ですので」


ロベリア「(うなだれる)あはは、私だけが一人置いてけぼりで、


    スミレに振られていったい私の人生って何だったの?」


スミレ 「私を忘れなさい。ロベリア。貴方だけの人生を生きてほしい」


ロベリア「(前を向く)スミレ、せめて私と戦って!!


    勝てないのは分かってる!!ただそれで諦められる!」


スミレ 「いいでしょう。私とロベリア。最後の戦いです」

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