第12話 スミレと異世界修学旅行 紅の弱さ、心の甘え

キキョウ  「前回のあらすじは!スミレ殿は惑星コーダの住人では


       なかったでござる!!!ついでに紅殿の修行編ぞ」


紅     「俺の扱い日に日に悪くなってないか?」






ー車輪の惑星 サムライ国 ナーラ県 師匠の道場 外ー




師匠    「じゃあさっそく特訓をしようかねぇ」


紅     「(腕組み)フン!いつでも来るがいい!!」


スミレ   「紅様。今すぐにモード紅の発動を。


      師匠の特訓は過酷ですので」


紅     「・・・・・。モード紅!忠告感謝するぞ」


師匠    「(屋根の上)腕試しだ!どうするね!紅」ぶん投げ―




師匠は屋根上に瞬間移動して薪を空中にばらまく。流石に丸太を投げられたら


対応に困るがこの程度なら!!




紅     「(余裕ぶる)子供だましだな。重力で下に落ちる


      木は除外!自分に当たるものだけ殴ればいい!!」




正面の薪を殴れば別の薪に当たるからな。とにかく手数で圧倒し


軌道を変化させる。




師匠    「ほう、やるじゃないか」


スミレ   「お見事です紅様」


シカ    「あのチカラ。基礎はできているようだシカ」






紅の双璧。地の文担当。真紅のツインテールで機械の体。


魔法と電気エネルギーで動くハイブリット魔法少女


他のメンバーは旅行中だ。裏切者め!!


脳をイイ感じにだますことで常人とはかけ離れた


集中力を発揮できるぞ!




スミレ。化け物じみた強さの異世界人。俺たちの惑星で阿漕あこぎな


商売をしていたが改心。蒼転寺家のメイドであるが、


後述の師匠とは何かしらの因縁があるようだ。


黒髪で今は俺と同じ胴着を着ている。木刀と竹刀を背中でクロスさせる


癖は抜けきっていない模様






師匠。声が渋い40だ・・・とても若々しいぞ!!シカモードな俺たちを


竹刀一本で制圧した凄腕。スミレを破門した人物。




シカ。ナーラ県に生息する4足歩行の生物。何故喋るかは不明だ。


師匠とは知り合いらしいのだが謎すぎる。






師匠    「まずは合格だ。薪は一か所にまとめておいてくれ」


紅     「師匠!!魔法を使っていいか?」


師匠    「インチキするなら家事全般やってもらうけどいいかい?」


紅     「(敬礼)紅は不正をしない正義マンだ!!


      真心を込めて薪拾いさせてもらう!!」


スミレ   (素直に一本づつ拾わずとも箒のほうが楽ですよ?)


シカ    「紅は家事苦手なようでシカ」




失礼なことを!薪拾う方が楽だからに決まっているだろう!


毎日靴の中敷きを変えたり、消臭ケアするぐらいの女子力はあるぞ!!






ー師匠の工房ー


師匠    「次はナイフを作ってもらうかねぇ」


紅     「師匠!刀のほうが作りたいぞ!!」


師匠    「刃渡り長いの持ってると警察に捕まるわよ?」


紅     「実はナイフも好きだぞ!!!」


師匠    「(引き気味)分かりやすい性格ね。スミレを思い出すわ」


スミレ   「師匠?昔話するのは老人の証拠ですよ?」


師匠    「(激怒)誰がババアだ!!たとえそうだとしても


      Bベxブレード


      Bバトル


      Aアソシエーションだよ!!!」


スミレ   「(嘲笑)師匠、情報が止まってます。


      今の団体は別名義ですよ?」


シカ    「ちなみに入手は難しいが火花が出るコマ発射装置も


      販売していたシカ」


師匠    「構えなさい!スミレ。課金マシマシな主人公機で


      成敗してやるわ!」


スミレ   「力だけが全てではありませんよ?その機種なら


      手回しで勝てますから」


シカ    「スミレよ、右回転相手に送り合いができる


      フxブニルとベアリxグダッシュはズルではなイカ?」


紅     「おい!怪文書がますます意味不明なことになるぞ!


      専門用語が多いと読者逃げるぞ!!」




動画サイトで人気の黄色い輪っかを出すとかしたほうがいい気がするぞ?


すまなかったな。諸君




紅     「違う!そうじゃない!ナイフを作るんだろ!!


      この怪文書内に装狂演譜っていうホビーがあるんだから


      そっちで戦えよ!!」


師匠    「魔法少女編から見てる人もいるだろうからね。


      実際前作よりもこっちのほうがPV数の勢いあるわ」


スミレ   「前作未視聴では突然生えた設定と思われますから」


シカ    「そもそも主人公が変わってるからな


      ダウナー系の少女が唯我独尊の先輩に振り回される話と、


      中二病主人公が洗脳されてノーパンで夜道を散歩する話シカ」


紅     「(ドン引き)諸君ら絶対裏で話合わせてるだろ」




師匠    「この物語はフィクションだからね。実際に刀を


      作られても困るから工程は省かせてもらうよ」


スミレ   「太陽系では最短5年の修行が必要みたいですよ?」




紅     「(カーンカーンカーン)とりあえずはできたか」


スミレ   「号・・・名前を付けてあげませんか?


      愛着もわきますし♪」


紅     「号?刀の名前なら銘ではないのか?」


師匠    「銘は自分の名前やサインだよ。


      号はそうさねぇ、ニックネームとでも言おうか」


紅     「ちょっと待て!この手の話って師匠が出来栄えに


      キレて弟子が狼狽える(うろたえる)シーンの


      はずだろう?」


シカ    「紅、君は刀鍛冶ではなく強くなりたいのだろう?


      本質をすぐに忘れるのは悪い癖シカ」


師匠    「紙さえ切れればそれでいい。自分が愛着もって


      鍛えた一振り、いわば分身だ。


      その事実さえあれば問題ないさね」


スミレ   「では、あの試験をするのですね?」


師匠    「紅には答えを教えないで頂戴。もっとも


      この試験の成功者は5人だけよ」


紅     「たった5人だと!!スミレはどうだったのだ?」


スミレ   「私と同期3人。そしてシカ様で5人です♪」


紅     「なぜシカが合格してるのだ!!!」


師匠    「ナイフに名前を付けたら試験内容を伝えるからね、


      私は道場で待っている。スミレ、夕食の準備を


      お願いするわね」


スミレ   「かしこまりました。師匠」




さて、ナイフの名前か。正直ピンとこないな。


2本あれば”紅の双剣”みたいな安直に決められるが、


1本しかないし。




シカ    「困っているシカね。紅」


紅     「まさかシカに心配される日が来ようとはな」


シカ    「それは君の心に迷いがある証拠シカ。


      ナイフは人を傷つけるものだ。悪を倒す大義名分があれど、


      その本質は変わらず。ましてやその道具を自ら生み出した。


      万が一盗まれれば誰かが傷つくシカ」


紅     「(あきれ顔)師匠に怒られるぞ。そんなに肩入れすると」


シカ    「警告に来ただけだよ。君はこの試験、降りたほうがいいシカ」


紅     「気に入らんな。試験内容も分からず負けを認めるのは!」


シカ    「ならば最後まであがくがいい。もっとも


      適当に名前を付けただけでは師匠は納得しないシカ」




シカが去っていったが回答が見つからない。正直ナイフではあるが、


奇麗に作れたという自覚はない。工房に展示されてる刀とは


何かが違っていた。だがそれが何かは分からない。


謎かけのような時間が続いていく。


妖刀や聖剣といった飾る言葉で名を付けてもいいが、


それもまた違う。武器は武器だ。


刃物なら刃こぼれするし、消耗品といっていい。


使いどころは限られる切り札だ。




気分転換しようと外に出る。もう夕方かと思い空を見上げる。


池を見れば魚が寄ってくる。待て!エサなんて持って無いぞ!


・・・・。シカの言うことが分かった気がする。


今大事なのはナイフに名前を付けること。魚のエサではない。


池に映った自分を見る。らしくないな。


イメージした最強の自分を再現する紅の双璧システム。


しかし水に反射する俺は悩んでいるのだ。


現実とイメージのギャップで気を失ったこともある。


俺自身もまだ未完成かもしれないな。


未完成・・・このナイフも同じか。


見えた気がする。あとは言葉にするだけだ!!






ー師匠の道場ー


紅    「待たせたな!!ししょ・・・う?」困惑


師匠   「あんたも食ってきな。腹減ってるだろう?」


シカ   「(箸でご飯をつかむ)スミレ君の手料理は久々シカ」


スミレ  「紅様、夕食の準備ができました、どうぞこちらに」


紅    「(驚愕)シカが箸を使って食事をしている・・だと」


師匠   「随分かかったね。大方どこかの馬鹿が状況を


     混乱させたんでしょうね」チラッ


シカ   「めぇええええ」


紅    「もうちょっと誤魔化せシカ!!!」




ふざけてないと気が済まないのか!このシカは!




紅    「俺もナイフも未完成だ!だからナイフに名前などない!


     俺は強くなるからな!そのころには迷いを捨てて


     いい武器が作れるだろう!!


     進化の通過点にかまっている暇はない!!」


師匠   「自分とナイフを重ねたか。いい名前だ。


     こちらに寄こしな。・・・紙は切れるみたいだね」


シカ   「警告はしたはずメェエエ」


スミレ  「シカ様語尾が狂っています」


師匠   「では、”このナイフで一番倒したいヤツを傷つけてきな”」




何を言っているのだ。この師匠は!!




師匠   「狼狽うろたえてるようだね


     でも強くありたければ強者と戦うしかないよ」


紅    「俺が倒したい相手か。例えば池の魚を


     倒したいと言えば合格になるのか?」


師匠   「勿論合格。でも紅は正直に生きるタイプだからね。


     結果がどうなるか楽しみだわ」




俺が倒したい相手か。ふぅ、とため息が出る。


俺の別人格!クリエ・リエがターゲットか!!


スマホでリエを呼び出す。これが正しいかどうかなんて


俺にはわからない。






百合物怪文書クリエールはフィクションであり、


実在する惑星、国、団体等は一切関係がございません。


野生のシカには許可が出ている帯付せんべい以外は


食べさせないでください。




アトガキ


紅    「シリアス展開に持っていく気なのか!!リエ!」


リエ   「しょうがないじゃない。キキョウ様編で


     すべてのギャグ書きたい衝動をぶつけたから!!」


紅    「喋るシカについてはどうなのだ?何食べてたら


     こんな設定になるのだ!!」


リエ   「カラムーxョだと思うわ。辛いお菓子」


紅    「コxラのマーチで捕食愛といいリエ!


     お菓子ばっか食べてると太るぞ!!」


リエ   「胸に栄養が行くよう努力してるのよ!!」


紅    「尻にしか行ってないぞ、残念ながらな!!」


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