第三話 この世界のヒーロー
目の前に突然現れた少年は白地の全身タイツのようなものに赤いライン、頭には顔が見える程度の穴の開いたヘルメットのようなものをかぶっていて、なんだか近未来の少年みたいだった。
手には銃を持っていて、手袋のようなものもつけている。
「えい!」
と銃を撃つと、新世界教会の戦士が次々と倒れていく。
続いて、軽くステップを踏み、今度は次々と戦士達を投げ飛ばしていく。
かと思えば、稲妻のようなものを発生させ、戦士達を困惑させていった。
「見てて気持ちがいいな…」
俺は心の声を漏らすくらい呆然として立っていた。
「あの稲妻のようなものは、攻撃魔法の一種、
クラムが不思議そうに呟いた。
「違う違う。」
「うぉっ!」
気が付けば後ろに謎の少女が立っていたので驚いた。
「あれはれっきとした化学よ!」
そう言って彼女はアハと口元を緩めて笑った。
あっという間に戦士達は倒れていき、気づけば数えられるくらいになっていた。
「あの、あの人は何で強いんですか!
そんでもって貴女はいったい何者なんですか!」
訳の分からないホミィは叫んだ。
「よし、残りはあと三人だ!」
謎の少年はそう言い、少し構えの姿勢をとった。
「に、逃げるぞ!」
残っている戦士のうち一人が言い、柵を飛び越えようとした。
「逃がしてたまるか!
ビッグ・ボルテージ!」
彼はそう叫び、眩しいくらいの稲妻を飛び放った。
「うっ!」
思わず顔をうつむけ、目を閉じた。
目をゆっくりと開き、顔を上げると、大勢いた戦士は無様に倒れ込んでいた。
「さっすが、私の発明品!」
謎の少女はアハと笑い、自分は倒していないのに何故か誇らしげに立っていた。
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