第一章 出会い
第一話 島流し
この
その大陸の大部分を占めているのが巨大な王国、レベリア王国。
この夢魔世界には数々の魔物がいたり、勇者や魔法使いが憧れの職業として存在する。
レベリア王国に存在する勇者一行は国王であるルガーク国王に公務員として仕えている。
そんな世界で俺が率いるパーティーが裁判に掛けられていた…
「濡れ衣です!」
魔法使いであるホミィが立ち上がって訴えかけた。
「ホミィさんの言う通りです。確かに私たちは出来損ないパーティーですが、あなた達がおっしゃるような酷いことをすることは決して致しません。」
僧侶であるクラムも続いて裁判官に訴えた。
「大体、あの時中庭にいたのはナジン率いる一行だろ!何で俺達が疑われなきゃいけねーんだよ!」
武闘家のカイが声を荒げて言った。
「静粛に!」
ルガーク国王の鶴の一声により騒がしかった裁判場が一気に静寂に包まれた。
「確かにお主ら一行の言い分も分かる。だがしかし、今まで真面目に働いてきたナジン一行の言い分は説得力がある。今のうちにやってしまった事を白状すればお主らの罪は軽くしてやろう。」
「なんだよそれ…」
カイが不機嫌そうな声で呟いた。
こうなってしまったら仕方ない。今まで国王を触発しないように気を遣って黙っていたが、無実の罪を被らされる訳にはいかない。ここは一つ、パーティーを率いる勇者として…
「御言葉ですが国王。」
俺は静かに立ち上がり、国王に物申した。
「確かにあの日、城にいたパーティーは私どもとナジン率いる一行のみですが、中庭に放火したのは私どもではありません。」
「何?ならば一体誰が放火したと言うのか。」
「恐らく、可能性としてですが、ナジン率いるいちぎょ…」
「何だと!」
しまった!ルガーク国王は一度怒り始めると冷静でいられなくなってしまう!つまり国王が怒ってしまった時点で俺達の人生はジ・エンド。
「お前は真面目で働き者であるナジンが放火したと言うのか!」
「いえ、そういうわけでなく、可能性として提示しただけで…」
「これはナジンに対する侮辱は我が国王に対する侮辱に等しい!よってお前ら一行は
「そんな…」
「これより即席で処刑を始める。この中で転送魔法を使える者いるか?」
ある裁判官が手を挙げた。
「それでは今から魔法を…」
俺が覚えているのはこの辺りまでだ。
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