カーネーションの贈り物
ノラと
暗闇の昼間
7月の18日。あわせれば5の2乗で25。この日は年に一度の夏の祭りでたくさんの観光客や村の人が一丸となって準備を急ぐ。今となれば機械が多少必要とするがこの村は完全に頼らない。木は10ほどの大人が運びやぐらなどの建造物をたて、それを中心として屋台を囲みその回りを街灯が囲む。正確にこの形とは限らず点々と屋台が出ている。という大きなイベントだが、わたしはこの準備を図書室の窓からみていた。
「早く帰れよ。夏休みちかいけど毎日ここにいてもらったら困る」
「わかってますよ。でもやることがないんです」
「一緒に遊びに行くとかあるだろう。」
「先生もわかっているんじゃないですか?バスは1日4本。最近は特別運行していますけど。第一友達いないし。」
努力は認めてほしいことだ。
先生はやれやれとあきれぎみに言う。
「こんなイベント滅多にないぞ。少しぐらいみにいったらどうだ?」
「だから言ってるじゃないですか。友達いないって」
「それでも明日は日食らしいぞ。」
二日間だけ臨時休校と言う形で休みになった。
日食と祭りが重なり村はわいている。先生は諦め「早く帰れよ」と残した。
あとこの村の神社の「四境神社」という神社がある。いつのことだか、願いが叶うということで観光客が続出している。もともとは神を祝うなどの理由だったらしいし、個人的には願いが叶うなんて嘘ぽいし自分がそう思えば叶うと思う。どうでもいいと思って去年は「ネコみたいな動物になりたい」と願った。これっぽっちもなりたいとは思っていない。
「もしも……」
あぁどうでもいい。どうせなら。誰にもできないことしたいな。
にゃーんにゃーん。
地上の珊瑚礁が泣いている。もう夜が近いとよんでいる。
「帰るか。」
25秒で支度し帰る。
「篠井の息子さん。もう少しで祭りだよ。お願い事はナニにするんだい?」
いつも挨拶してくるおばあさんだ。小学生のころからずっと言ってくれるので「おはようねー」の一声で朝だと思う。義務教育から逃れて上に上がると通る時間が遅かったりするも毎日言ってくれる。たいへん優しいかただ。
「そうだな、おばあさんが長生きできるようにするとかにしたよ。」
おばあさんはほほえみながら深刻な顔をしていた気がする。
「まぁそれはうれしいねー。でも。自分のために使ってみないかい?もう就職するだろ?奥さんとか?子どもとか?そういうことに使わないかい?」
「嫌。」
思春期になって感情が豊かになったが。そういうのは本当に恋した人にしか欲がわかない。自分でも何言ってるかわからない。どっちみち友達は少ない。
「考えとくよ。」
「そうかいそうかい。はやくみてみたいねー。赤ちゃんを」
「また。いつか。」
「はい。はい、」
^ふふん^
帰宅して五秒。へやにゴールイン。
家は家で騒がしい。職業柄?かな。
しばらくして風呂に入ろう。いつもこの日比だ。代わり映えない。でも、もっと面白いことないかな?
^ふふん^
カーネーションの贈り物 ノラと @fromstod
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