本題へ
夜十時、僕はカテツ達と別れたあと、夕飯や風呂を済ませて寝ようとしていた。
ヴヴーッ
ベッドに入ろうとした時、充電ケーブルが刺さった携帯が震えた。LINEのバナーにピンクの髪の少女のアイコン。カテツからのようだ。
《カテツ》
まだ起きてるかな?
スタンプ
《オオシタ》
起きてるよ
送られてきたスタンプには紺色の髪を頭のてっぺんでおだんごにしている少女がはてなを浮かべている。何かのアニメだろうか?
《カテツ》
リンザキのことなんだけど、俺的には記憶を戻してあげたいと思っている
記憶が戻らないままで改めて17歳から生きるなんて嫌だろうし
《オオシタ》
確かに、自分がそうなったら嫌だよね
《カテツ》
やっぱりそう思うよね
だから、俺はオオシタに協力してほしい
なぜ僕なんだろう?
リンザキが名前を呼んだからだろうか?
《オオシタ》
なんで僕なの?たまたま会っただけだよ?
そもそも学校も違うし…
《カテツ》
そうだけど、リンザキは君の名前を呼んだんだよ?偶然だと思う?
俺はなにかそこに鍵があると思うんだ。オオシタもそう思わないか?
《オオシタ》
確かに、違和感はあったけれど。ほんとに僕でいいの?
《カテツ》
君じゃなきゃ困る
《オオシタ》
わかった。協力する
《カテツ》
ありがとう。
スタンプ
早速なんだけど、週末空いてる?
《オオシタ》
部活無いから空いてるよ
《カテツ》
よかった
実は今週末、リンザキと一緒に事故の時の状況再現を自分達でしてみることになっているんだ
《オオシタ》
いままでしなかったの?状況再現
僕は少し不思議に思ってしまった。
《カテツ》
リンザキが退院したのが最近だった上に僕も文化祭の後片付けが忙しかったんだよね
《オオシタ》
なるほど
了解!
《カテツ》
ありがとう!
スタンプ
じゃあ土曜日の午後5時に赤崎高校の前で!
《オオシタ》
スタンプ
《カテツ》
スタンプ
LINEを閉じてスマホの電源を切る。
赤崎高校と検索してみると、自宅から1駅でとても近い事がわかった。
なるほど、カテツたちはここに通っているのか...偏差値がとても高かったことは見なかったことにしよう。
僕は電気を消してベットに潜った。
こうして、11月の暮れから、リンザキの記憶巡りが始まったのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます