第8話 汎用的で何度も使えてバトル向きで弱そうだけど実は強くてオリジナリティのあるチートを考える人

 では前回の続き。話の核をチートに設定したので、必要なのは「汎用的で何度も使えてバトル向きで弱そうだけど実は強くてオリジナリティのあるチート」ということで今回はそれを考えるところから。


 まず汎用的というところ。世の中剣豪小説とかあるぐらいだから「剣術」だけで渡り歩く小説も作れるとは思いますが、今回はなろう系なのでいろいろなスキルを使いたい。というか、色々なスキルを使えないと作者が大変。立ちふさがる様々な困難を全部拳で解決だと話のバリエーションが出ない。毎回ちょっと苦労するけどいろんなチートで場当たり的に解決、ぐらいなのが楽です。

 ということで「汎用的なチート」として、「いろいろなスキルを使えるスキル」みたいなメタスキルを検討します。


 実際のなろう系を見ると、「スキルをコピーするスキル」とか「スキルを強奪するスキル」とか「敵を食べるとスキルが身につく」みたいな小説のは既にあるのでオリジナリティ考えると一ひねり必要ですよね。

 一ひねりというのは、たとえばコピーするのに制約(例:スキルをコピーする相手とHしないとだめ)とか、敵の料理法にこだわる(例:美味しくならないとだめ)とかですね。と言っても、「一週間待ってください本当のオーク料理をお持ちします」みたいなのもネタとしては面白いけど10万文字書くとなると作者の能力的にネタが続かなそう。っていうかモンスター料理はダンジョン飯という最高峰があるからなあ。


 元々なろう系の場合だと「ひたすらレベルが上がってスキルをガンガン覚える」というのが正攻法なんですよね。ここで問題になるのが少年ジャンプ現象。レベルが上がりすぎて敵がいなくなるってやつで。今回はバトルをストーリーの主軸にしているので敵がいなくなるのは困る。無限に強くなるんじゃなくてスキルをゲットしても目の前の課題を解決するぐらいに抑えたい。


 ここで最初困ってたわけですが、一ひねりしすぎてマニアックになるのもなんだし凝りすぎるとバリエーション作れそうもないのでもう正攻法で行こうかと。つまりレベルがガンガン上がるですね。レベルアップ感がありつつ、かつレベルが上がってもそんなに強くならない方法なにかないかと。


 まず考えたのは「レベルは一時的にしか上がらない」なんですが、それだと成長感が出ないかな。むしろ「自分からレベルを下げることを読者が納得する」ことができればいいかなと。例えば「増えたレベルを貯金すると後で利息が付いて帰ってくる」とかそんな感じ。


 ここでレベルを下げるメリットですが、多くのゲームではレベルが上がっちゃうと雑魚では経験値が入らないシステムになってるのでこれを使えないかと。レベルをわざと下げて雑魚で経験値稼ぐとかね。「レベル100の強さなのに数値上レベル1だからゴブリンでザクザク経験値稼いでます」みたいな。

 さっき言ったレベル貯金だと結果としてはレベルが返ってきて前より上がっちゃうわけで、そどっちかというとレベルを他のものに使える方がいいですね。レベルで買い物的な。


 こんな感じで考えていたら、「自分のレベルを他の人に渡す」というのを考えつきました。パーティメンバーにレベルを渡して強化。これなら自分のレベルは上がらなくても成長感は持てるんじゃないかと。パーティが強くなればレベリングして貰うということで。

 あとはレベルアップでスキルを取得できるようにしといて、困った時はレベルアップして新スキル取得で解決。そしてレベルを渡してまた下げる。うん、なんか良さそう。


 以上、チートのギミックも考えたということで、キャラクターとか世界観とかそういうのに取り掛かります。次回「一番大事なのはキャラクターだよねと思い出す人」に続く。


 なお、ここまで読んでお分かりかと思いますが、このエッセーは実は下記の小説のメイキングです。よろしかったらこちらもどうぞ。


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筆者の書いた小説「妹ダン〜転生チートで妹にレベル譲渡してダンジョンを攻略します!」読んでレビューいただけると嬉しいです

↓↓こちら↓↓

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