第9話突然の来訪者
「お久しぶりです、悟様。駒井雪希奈ただいま到着しました。」
インターホン越しでもわかる整った顔立ちの美少女はまるで、飼い主に向ける忠犬のような眼差しをこちらに向けていた。
とりあえず、俺は彼女を家に招き入れ、
「えーと、とりあえず用件を聞こうかな。俺の側仕えの契約は中学3年間だったよな?どうして、ここに来たんだ?」
そう聞くと、
雪希奈は、まるで豆鉄砲を食らったかのように固まり、、、
「確かに、契約は中学生の間までだったのですが、私がご当主様にお願いをして、再び悟様のお側でお役に立ちたいと考えた次第です。」
「俺が、お前を側仕えにしてたのは雪希奈の親父さんがお金に困っていたからだ。だが、今ではそれも解決している。だから、雪希奈は普通の高校生として、生活して欲しいんだ。今からでも、手続きすれば、雪希奈にふさわしい高校に行けるように手配し、、、」
俺の言葉を遮るように、
「嫌です!!!!
雪希奈は悟様のお役に立つためだけに生きています。どうかどうかお側にいることをお許しください。」
自分の全てを掛けていることがわかるほどの迫力が彼女から溢れ出していた。
どう答えるか迷っていると、、、、
横で静かに聞いていた碧が、
「いいんじゃない?このマンションって結構広いし、3人で住んでも余裕あるもん。てことで雪希奈ちゃんも一緒に住みましょう。」
俺と雪希奈は呆然とした……
だが、先に口を開いた雪希奈は
「碧様と悟様さえ良ければ、この雪希奈、誠心誠意お2人の生活をサポートさせていただきます!!」
それは今までに見たことの無い程の満面の笑みを浮かべていた。
「あー、もう、わかったよ。雪希奈ここで俺たちと暮らそうか。でもその前に、もう俺はお前の主人ではないから、出来ればその悟様ってやつはやめてくれ。」
「私も!碧様はやめて欲しいかな。同い年だし、碧ってよんでよ、雪希奈ちゃん。」
「そうおっしゃるのであれば、悟さん、碧さんと呼ばせてもらいます。」
「「それでよし!」」
こうして、一日のうちに同居人が2人増えたのである。
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碧と雪希奈がお風呂に入っている間、、、、
俺は、ある人物に電話をしていた。
「どういうつもりなんだ。」
「なんのことだい?」
「とぼけるな。碧の方はまだそれで言い逃れが出来るかもしれないが、雪希奈までは言い訳できないだろ。監視のつもりか?」
「我が、愛しき息子ながらなかなかひどいね。そんなつもりは無いよ。ただ、彼女が君の元へ行きたいと言ったから手を貸しただけなんだよ。」
「本心を言うつもりは無いってことかよ。」
「そう言われても仕方ないかもね。ただね、これだけははっきり言っておこう。悟、お前はいずれ、日本を背負わなければならない。今だけだよ。自由にできるのはね。せいぜい楽しむことだ。」
そう言うと電話は切られた。
俺は電話の相手である親父、弦一郎のことを思い浮かべながら、これからのことを考え、ため息をつく……
近い将来、日本を背負わざる負えないことを頭の片隅に追いやりながら、、、
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いかがでしたか?
今回は悟の父親、弦一郎が登場です!
息子を思いやりながらも家のためには手段を選ばない。そんな感じの父親です。
彼が雪希奈を悟の元へとやった真の理由とは、、、、、
ストーリーが進むにつれてわかるかも。
ここまで、読んでくださりありがとうございます。
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これからどんどん面白くなる予定なので登録の方もどうぞよろしくお願いします!
次回は、学校編が本格的に始まります!
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