第11話

「ほら、あまり急いで食べるんじゃないの。料理は幾らでもあるんだから」

 ダイエットのため食事制限をしていたミナは、反動で口の周りを赤くしながらナポリタンを頬張った。


「お腹を壊すわよ」

 ミナはそれを聞いて口をフグのように膨らませたままニヤニヤと笑った。

「そしたら博士に治してもらうもん」

「あのね……、そう簡単に言わないの。腹痛は自分で薬を飲んで治すものよ」

「えぇ~!」

「当たり前よ。人間は皆そうなんだから」

 ミナは口をとんがらせて言った。

「いいもーん。平気だもーん」



「いたたた……」

 トイレに入ってうなるミナ。

「だから言っただろう?」

「うわぁーん! 痛いよ~。助けて~博士ぇ~」


 しかし本当にミナはよく出来ている。

 驚かされる。


「もう少し我慢しなさい。一瞬で治る飲み薬をあげるから」

 ミナはトイレの中で叫ぶ。

「早くぅ~!」


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