第3話

 私は研究所に引き籠もり、研究と開発に没頭した。

 失敗を繰り返し、病いに倒れながら(当然、むしばまれた内臓はメナトリウムで代替した)


 とうとう……


 私は作り上げたのだ!


 人間を必要とせずとも人間を作り出すことが出来たのだ!

 私の理想の形をした人間を!


 人工樹脂で作られた特別な皮膚で覆い、感触は人間そのものだ。

 体温は36.0158~36.2142℃の恒温で、食物を摂取することでエネルギーを燃焼させ、体温を維持する。

 まさに人間と同様である。


 万が一を考え、体内に緊急用停止装置を仕掛けてある。

 違いがあるとすればたったそれだけだ。




 私は人工呼吸器を外し、ロイド0ー36を目覚めさせた。


 ゆっくりとまぶたを開け、眼球が動く。


 そして上半身を起き上がらせて、しばらくじっと目の前を見つめたかと思うと、大きな欠伸あくびをひとつした。


 そしてこちらを向いて頭を下げた。

「おはようございます、博士」


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