第8話 従順
そっかそうだよね
聞こえてしまった教室からの
あなたと彼女の楽しそうなおしゃべり
染髪のときは文句言われても
「私は私だから」って貫いたけれど
あなたの前で「私」でいる訳にはいかないって
なぜだか分かったんだ
「私」でいちゃいけないって心と
あなたのそばにいたいっていう「私」
見ず知らずの私が
あなたにそう思ってるなんて聞いたら
キモいって
きっとそう言うんでしょうけれど
好きですって
私は他の人に言われちゃった
「私」の言葉取られちゃったな
彼のこと、
あなただと思い込んで
楽しい日々を過ごしたよ
だけどあの日
彼女があなたとキスしてるのを見て
彼の前で泣きだしてしまった
私は彼も困らせて
あなたにも全く近づけなくて
「ごめんね」と彼の手を引いて
裏路地に連れ込んだ……
部屋の明かりを落としたら
君以外見えなくなった
ようやく彼の顔をちゃんと見て……
「私」寝取られちゃったんだよ
どうでもいいのかもしれないけど
私従順じゃなかったね
あなた以外の男に抱かれて幸せになるよ
sunset 一盃口 @i-pe-ko-doradoradora
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