2022年11月22日_ブルーピリオド13巻感想戦
ブルーピリオドの最新刊を読んだ。13巻だ。
ネタバレになるのでくれぐれも注意されたし。
不穏だったノーマークス編が終わりを迎えた。
藝大という場で美術を学んでいた八虎がその在り方に疑問を抱いていたことから始まったわけだけど、結局は自分の頭で考えてどうやって作品を作っていくのかということこそが大事だよね、という結論に落ち着いたと思っている。
ノーマークスが宗教団体っぽいとか反権威主義とかいうことは本質じゃないと思う。どんな思想の集団だったとしても、八虎が感じて考えたことが本物なら、それを形にして発表していけばいいっていうだけなんだよな。物語上の記号的配置として藝大の逆にいる組織を置いただけだもん。今回たまたま反権威主義を掲げている集団だっただけで。アイコニックにヤバい団体だっただけで。だってイチ個人と関わることでも同じことが言えるんだもん。
まあ、野良の自称美術愛好団体とアカデミックな藝術学府との差についてはもうちょっと具体的な言葉で触れてほしかったけれど。ノーマークスという集団がほとんど作品を作らずに現行の芸術と作品の愚痴を吐く場でしかなかった。どう見ても宗教だなあって感じだ。んでもって教祖以外は割と話にならなくて、うん、まあ彼女が行く先々が反権威主義の王国として栄え続けるんだろうなとは思う。もしかしたら時流が変われば別の論を展開していそうな雰囲気すらある。そのへんの変化に聡い気がする。
まあでも逆張りをするのって楽だからいいよね。手軽になにかを言った気になれるから。
藝大での経験も、ノーマークスでの経験も混ぜ合わせて作品という形に昇華した八虎が一番カッコよかった。
かくあれかし。私も原稿やります。
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