本作の作者である和団子さんは特に夏を舞台にした作品に定評があり、今回も期待以上の夏が描かれていました。さて、物語はやや不穏な出だしから始まります。主人公は公民館でとある少女と出会うのですが……。ボーイミーツガール要素あり。自分のルーツを探求するミステリー要素あり。もちろん、美しい夏を感じさせる描写もふんだんにあり。最後まで読めば蒸し蒸しする鬱陶しい夏が大好きになること確実。心温まる短編でした。