深窓令嬢な生徒会長様は、不良な彼に恋してる。
八木崎(やぎさき)
一章
プロローグ
今でも明確に思い出す事が出来るある日の風景。今まで見てきたものとは違う貴方の姿。私の記憶の中で、その時の貴方は何時までも輝き続けている。
私はあの日、本当の意味で貴方と出会う事が出来た。貴方に触れる事が出来た。貴方の事を知る事が出来たのです。
最初は何も知らなかった。それから興味程度の気持ちを持った。けれども、今はもう違います。調べていく内に貴方の事が好きになった。貴方に惹かれてしまった。
貴方に恋をしているんです。貴方と一緒にいたいと思う様になりました。どうしようもないくらいに、貴方に惹かれているんですよ?
周りからの評判や価値観なんて関係ありません。誰が何と言おうと、貴方に対するこの私の気持ちは本物ですわ。嘘偽りの無い私の本心です。
だから、私は貴方の傍にいたいですし、出来れば寄り添っていたい。同じ時を過ごし、同じ時を刻み、そして一緒に生きていきたいと思っていますわ。
貴方が私に優しくしてくれた様に、私もまた貴方に優しさを与えてあげたいと思っておりますのよ?
ただ、私がそうしても貴方は受け取ってくれないかもしれない。それでも、良いのです。だって、見返りが欲しい訳じゃないのですから。
私はただ、貴方と一緒にいたいだけなのです。そして、貴方と過ごす時間をもっと増やしたいだけですわ。それが叶うのならば、他には何もいらないのですよ?
ですから、どうか私を受け入れてくださいませんか? 私の想いを受け取ってくださいな。それだけで私は幸せになれますし、もっともっと幸せな気分になれると思うんですの。
そう思う理由ですか? それはきっと、貴方が私にとって……掛け替えのない存在になる筈だと確信していますから。
だから、それと同じ様に、私という存在が貴方にとって掛け替えのないものであると私は信じております。
だって、そうでしょう。こんなにも貴方の事を愛しているのですから、貴方も私の事を愛してくれるのでしょう。
いえ、これは断言出来ますね。何故ならば、私と貴方は出会うべくして出会った運命の赤い糸で結ばれているからです。
運命という言葉があるでしょう? あれは本当にある事だと思いますよ。そうでなければ、こんなにも私達が出会える筈が無いではありませんか。
ええ、そうですとも。私達は必然の出会いを果たした仲なのですよ。決して偶然などではありません。全ては私の、私達の望んだ通りになっているのです。
だからこそ、私は貴方と結ばれるべきなんですわ。貴方にとっても、そして私にとっても、お互いが傍にいてこそ、意味のある人生になりますもの。
幸せってそういうものではありませんか? 愛する人が自分の隣にいるだけで幸せな気分になれるんですもの。
もちろん、それだけじゃありませんわよ? お互いに愛し合っているからこそ、一緒にいるだけでも幸せに感じることが出来るんだと思いますわ。
私は貴方を愛していますわ。心の底から、誰よりも深く愛しています。
私は貴方の事が好きですわ。好きで好きで堪らないくらい、貴方の事が好きなのですよ?
私は貴方の事を考えるだけで胸が高鳴りますし、貴方と一緒にいる時はずっとドキドキしっぱなしですの。
それに何だか、とても温かい気持ちになるんですの。温かくて心地が良くて、それでいてとっても嬉しい気分になるんですのよ。
これって凄いと思いませんか? こんな気持ちになったのは、生まれて初めての事なんですよ?
だから、私は毎日が楽しいのですよ。貴方と一緒に過ごせる時間があるから、一日が楽しくて仕方ないんですのよ。
なら、私がこうして行動するのは当然の事なんですよね。
だって、貴方を愛しているのですから。
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