第15話 デート回が続きますが、これ過去話? パラレル? あれ、時間軸?
「俺もです。これをペアで買うことにしませんか?」
「うん!」
こうして、俺達の選んだものは2人分になった。
次に、洋服店で美月さんは服を見ていた。
「ねぇ、悠真君。どっちのスカートが似合ってるか見てくれないかな?」
「いいですよ」
2つのスカートを交互に見ていく。
右の方は丈が長くて清楚な雰囲気があり、左の方は短めで元気の良さがある感じがする。
どちらを着ても、美月さんなら似合いそうな気がするけど。
「うーん、迷っちゃうなぁ。どっちかといえばこっちだけど、悠真君の好み的にはどうかな……?」
美月さんは、自信なさげに聞いてくる。
正直に言えば、どちらもよく似合っているから、どちらかを選ぶのは難しい。
だから、美月さんに選んでほしいと思っている。
「……こっちの方がいいと思います」
「そう?……分かった! ありがとう、悠真君」
美月さんは笑顔で礼を言うと、そのスカートを持ってレジに向かった。
俺達はそのまま会計を済ませ、買ったばかりのマグカップが入っている袋に入れてもらった。
「次はどこに行きますか?」
「うーん……あそこに行きたいな!」
美月さんが指さしたのはゲームセンター。
「了解です。それでは、行きましょうか」
「うん!」
そして、俺と美月さんは一緒にゲームセンターで遊ぶことに。
クレーンゲームの景品やUFOキャッチャーのぬいぐるみなど、色々と取った。
あとはプリクラも撮った。
俺と美月さんはもちろんのこと、他のカップルもたくさんいた。
楽しかった時間はあっという間に過ぎていき、気付けば夕方になっていた。
ショッピングモールを出て、電車に乗って帰る途中。
「今日はとても楽しい1日だったよ。ありがとう、悠真君」
美月さんは、嬉しそうに笑う。
「こちらこそ、誘ってくれて本当にありがとうございました」
「うん。また今度、デートしようね」
「はい」
「ふふっ」
美月さんと手を繋ぎながら、夕暮れに染まっていく街を見つめたのであった。
昨日は、美月さんとお出かけをした。
とても楽しく、充実した時間を過ごすことができた。
今日は日曜日なので、午前中はゆっくり過ごす。
そして、午後からは勉強をして、夜にはバイトだ。
昼ご飯を食べた後、自室で数学の問題集とノートを広げて、分からないところがあればスマホで調べたりして解いている。
問題集は、3年生になってから初めて取り組む内容であり、難易度はそこまで高くない。
ただ、油断するとすぐに間違えてしまう箇所が多いのだ。
特に応用問題が厄介である。
「……ふう」
1時間半ほど勉強したところで、一旦休憩することに。
リビングに行ってアイスコーヒーでも飲もうかと思った時だった。
「悠真君。ちょっといいかな」
部屋の外から母さんのそんな声が聞こえてきた。
「何?」
「お母さんね、買い物に行きたいんだけど、ついでに何か必要なものがないか聞きたくて」
「うーん……特にないと思う」
「そっか。それじゃあ、行ってくるね」
「行ってらっしゃい」
そう言うと、母さんは家を出たようだ。
俺は再び部屋に戻り、椅子に座って机に向かう。
それからしばらくして。
ブーッ、ブーッ。スマートフォンが震える音がした。
確認してみると、メッセージアプリに新着の通知が来ていた。
差出人は美月さん。
内容は、俺と遊びたいということだった。
しかも、明日ではなく明後日の土曜日に。
俺は『大丈夫だよ』というメッセージを送信。
すると、すぐに既読マークがついた。
そして、『やった!』と喜びを伝える可愛いウサギのスタンプが送られてきた。
そのやり取りを見て、自然と笑みを浮かべる俺。
その後――
「悠真君、いる?」
コンコン、とノックする音とともに、ドアの向こう側から美月さんの声が聞こえる。
「うん」
「入ってもいいかな?」
「いいよ」
「失礼しまーす」
美月さんが部屋に入ってくる。
手にはバッグを持っていた。
休日に会う時はいつも制服姿だから、私服姿を見られるのは新鮮な感じがする。
それに、ロングスカートを履いていて大人っぽい雰囲気がある。
あと、美月さんと一緒にお風呂に入った時のことを思い出してしまった。
あの時に見た彼女の胸元が頭に浮かび、顔が熱くなる。
「どうしたの? ぼーっとしているけど」
「……いえ、何でもありませんよ」
「本当かなぁ?」
悪戯っぽく笑いながら、首を傾げる美月さん。
「本当ですって。それより、どうして家に?」
「悠真君と会いたかったから」
そう言ってくれることは嬉しいけれど……。
「母さんとか父さんに用事があったんじゃないのか? 俺に会いに来るのは後回しにしてさ」
「ううん、違うの。お父さんもお母さんも仕事でいないんだよね」
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