最後の夏……かもしれない

お題：つまらない夏 制限時間：15分

「いやぁ……平和だねぇ」

「平和なのはいいことじゃない」

「イベント的なものがないと発散できない」

「私を散々おもちゃにしてるくせに発散できてないと？」

「だってやらせてくれないじゃん」

「そういうのは好きな人同士でやるのよ」

「いいじゃん。きっかけがそれで生まれるかもしれないよ。ってか、ほらよくある強姦されちゃうやつあるじゃん。あぁいうのでロストバージンしちゃうかもよ？」

「可愛い子や、きれいな子ならともかくとして私はないかな」

「なんで？　おっぱいでかいじゃん」

「胸が大きければ、強姦されるってこと？」

「たとえブスでも後ろ向きじゃわからないじゃん」

「見たくもない顔ってこと？」

「誰もそうはいってない。俺的にいえば、可愛いに入ると思うな」

「そうなの？」

「はぁ……どうして幼なじみってやつはめんどくさいのか」

「悪かったわね」

「一緒に卒業しようよ。大学で別れちゃうんだし」

「行くエリアほぼ一緒でしょ」

「まぁそうなんだけど、大学の出会いがあったら終わるでしょ？」

「ないことはないと思う」

「だからさ、一回試しにってことでしない？　そしたら、平和も終わると思うんだ」

「世界平和も簡単なことね」

「セックスがあるから、今の世界があるんだ。しなかったら、人間なんて繁殖してないよ。性行為が気持ちいいことを100％理解してる動物だからね」

「考える力がある動物とはいわないのね」

「考える力があっても、バカはいるし」

「成績上位にいるあなたにはそう見えるかもしれないけど、みんな頑張ってるのよ？」

「それは知ってるけど、ほら毎日遅刻してくる○○なんてさ。いつも赤点じゃん」

「そうね」

「授業中は寝てるし、体育のときは女ばかり見てるし。あぁいうやつが強姦しちゃうんだろうな。気をつけた方がいい」

「心配してくれるんだ」

「俺がもらうはずのバージンが奪われるのはちょっとあれだと思ってね」

「別にあなたのものじゃないんだけど」

「ものにするよ」

「襲うってこと？」

「親が旅行で出かけてる俺の家に泊まりにくるやつがそれをいうか？」

「……」

「親に家事をお願いされたのはわかるけれど、泊まる必要はないでしょ」

「……そうね」

「じゃぁ、身体よく洗っておくよ。それとも一緒に入る？」

「また別の機会に」

「こっちは全裸見たことあるから平気だよ。なんだったら、写真だってある」

「最低」

「まぁうちの学校の更衣室はのぞかれるためにあるような……施設だからね」

「結局修繕入らなかったのよね」

「俺らの子どもの世代には変わってるかもしれない」

「私と作るつもりなの？」

「ちゃんとコンドームは用意してあるよ。いくつ使うかわからないけれど、妊娠させることは今はないよ」

「ふーん」

「この夏を面白くするために、脱いでくれるか？」

「……好きにしたらいい」

「ありがとう。やっぱ持つべきは幼なじみかもしれない」

「……いっとけ」

「つまらない夏が、最高の夏へと変わりそうだ」