第42話 雪村、富豊に仕官するってよ
真木の
「兄上、ただいま戻りました」
「おかえり。あれ? 桜姫は一緒じゃないんだ?」
「はい、その事なのですが」
私は影勝様との
そして先日は聞きそびれたのであろう事柄を確認する。
「兄上は
「うん、僕だけじゃなく雪村もね」
「私も?」
影勝様もそれっぽい事は言っていたけど、私が
「そうか、ちゃんと話してなかったね」
不思議そうな私を見て、兄上が事情を説明してくれる。
「この戦が終わったら、真木は
ああ、そういう事か。
大阪の花見で桜姫が神力を
「桜姫を
プライドが高い
徳山を警戒している美成殿は「武隈の一家臣という立場が不相応というなら、真木を富豊に臣従させてはどうか。真木は武隈が使役していた霊獣を従えている。神子姫を守護する能力ならば十分に備えている」と富豊に進言した。
それに影勝様も
「霊獣を使役する真木家」ってところがポイントなら納得いく。でも。
「炎虎は真木家に下賜された霊獣です。ほむらは、兄上に従っている事にした方が良いのではないでしょうか?」
そうなの。雪村ばっかりほむらを
炎虎が真木に従った経緯は特殊で、兄上の霊力では炎虎を従えるには少し足りなかったけど、雪村の霊力が高いから「雪村に」従っているって経緯がある。
そして本来、霊獣は『当主』に従うものだから、真木家当主の兄上にも、ほむらは従っている。
でもこの経緯は
そう思って進言したけど、兄上は「ふだん
桜姫が神力を発現したきっかけが、「雪村を馬鹿にされたから」だと聞いた時は、仕官してない事に少し落ち込んだりもしたけれど。
あれから『雪村』と
だから今となっては「豊富に仕官しろ」と言われても、あまり嬉しくない。
逆に「富豊に恩がなければ『大阪夏の陣』は
そもそもゲームで『雪村が豊富に仕官する』エピソードなんてあったっけ?
基本、桜姫の恋愛に関係ない部分はスルーだからなぁ。『カオス戦国』って。
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