第4話「失恋」

私は泣きながらその場をあとにして、走って家に帰った。


来るときに乗ってきた伯爵家の馬車は、なくなっていた。


雨が降ってきてドレスに染みを作ったが、こんなドレス、もう二度と着ることはないのでどうでも良かった。


私の帰りが早いことを両親は心配していたが、私は彼らに何も言わずに自室に入り、中から鍵をかけた。


ドレスを破るように脱いで、ベッドにダイブした。


そのまま一晩中泣いた。


悔しくて、悲しくて、辛くて……消えてしまいたかった。







私が彼から離れた四つ目の理由、彼に人を見る目がなかったから。




一晩中泣いてそのまま寝てしまった。


昼過ぎに、お母様がチキンスープを作ってきてくれた。


私はリボンとドレスをゴミ箱に捨て、メイクを落としお風呂に入った。


お風呂から上がるとお母様がレモングラス入りのハーブティーを入れてくれた。


それを飲んだら少し気持ちが落ち着いた。


コニーは幼馴染の私の言葉より、嘘つきで、男に媚びるのが好きで、下位貴族の子女をいびるのが趣味なグリゼルダを信じた。


あんな女と婚約するなんてコニーは見る目がない。


でも……グリゼルダは美人でナイスバディでお金持ちだ。


コニーが彼女の魅力にメロメロになり、彼女の言葉を鵜呑みにしまった気持ちも分かる。


パーティーで起こった事を両親に話すと、彼らは「二度とナヨタ子爵家とは関わらなくていい!!」と言ってくれた。


私とコニーの関係がどうなろうと、親同士の交流は続いていくと思っていた。


でも今回のことは温厚な両親の逆鱗に触れたらしい。


我が家とナヨタ子爵家の縁はその日を限りに、永久に切れることになった。



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