第24話 作戦会議
昼休み。例の階段に、俺と成田と佐々木は集まった。
お弁当を食べつつ、才田問題について話し合う。
「それで、いつ実行するの?」
「うーん。できるだけ早い方がいいよな。次何してくるか分からないし」
「それならいっそのこと明日とか……?」
「明日か。急だけど、その方がいいかも」
成田が頷く。
まぁ、早い方がいいのはそうだけど……それにしても、明日か。急すぎてなんか緊張してきた。
「録音して、あとわたし達が録画もするんでしょ?」
「そうそう。目撃者がいた方が証拠として優秀だからさ」
「なるほど。よく考えたってか、すんごい急展開だね。昨日掲示板見たときはほんとびっくりしたけど」
「俺も朝来てびっくりしたよほんと。まさかこんなすぐ仕掛けてくるとは思わなかった」
「ねー。わたしも色々考えてたんだけどさ、全部時間かかる感じだったから。ここは早めに決めちゃうべきだと思う」
「時間かかる感じって……あぁ、カメラで監視するとかか?」
「いや、そういうんじゃないけど……内緒」
神奈がしーっというポーズをした。いかんせん美少女だからとんでもなく似合う。なんか色気もあるし……
いや、それにしても内緒ってなんだ。
「な、内緒か。明日の昼休みに才田に話しかけようぜ。そしたら時間も十分にあるし。人目もないことはないから、脅して録った音声じゃないってのもアピールしやすい。場所は……」
「体育館裏とか。あそこ案外人少ないし」
「そうだな。じゃ、俺たち先に集まろうか。それから才田と楓に来てもらおう」
「うんうん。それが1番だね」
意見がまとまったところで昼休み終了の予鈴が鳴った。
「まぁ、行き当たりばったりでもなんとかなるっしょ」
「なんとかなってくれ頼むから」
なんせ俺は命かかってるからな。
教室に戻ると、扉の前に目立つ髪色が見えた。パールホワイトの、この世界でも珍しいそれ。
一瞬にして体が固まる。
まさか……
「ににに、錦小路……くん、いや、さん。あ、あの、錦小路さんのこと探してるっていうひ、人が……そ、そこに……」
「なるほどな。ありがとう」
「い、いや、そんな」
立ち尽くす俺に、彼女の正体を教えてくれた親切なクラスメイトは、一瞬で離れていった。
なんかすごい怯えられてる、気がする。
過度な反応に軽くショックを受けつつ、俺は足を進めた。
できれば出会いたくない。出会いたくないけど……
「あ、あの……!」
ちょうど教室の扉の前。そこで呼び止められて、足を止める。
「えっと?」
「あの、私、入学式の朝に助けてもらったものです。少しお話したいことがありまして。放課後、どこかでお会いできませんでしょうか?」
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