ー告白ー8
この静かな空間に二人だけ。 今までレッスンとかなんとか言って春は自分のことを誤魔化すことが出来たけど、この静かな空間では二人だけで意識してしまい鼓動が徐々に高鳴り始めているのかもしれない。
鼓動は確かに自分にしか聞こえていないのだが、この静かな空間では隣に居るゴーに聞こえてしまうのではないかと思ってしまう。
もう何度も体験してきた胸の鼓動。 明らかに恋をしているのは自分でも分かっている。 それに効く薬がないというけど。 それは自分から好きな相手に告白をすれば治まることは知っている事だ。
じゃ、何故、自分はそのことについて治める方法を知っているのにも関わらず告白をすることが出来ないのだろうか。
それは自分には勇気がないから。 女性にも告白することさえ、なかなか出来ないのに男になんてもっと出来る訳もない。 もし告白をして断られる確率の方が高いに決まっている。
だけど、もし芸能人じゃなかったら、ゴーとこんなに近付くことは出来なかっただろう。
それはそれでいいことなんじゃないだろうか。
そんなことが春の頭の中をグルグルと巡り頭を抱えてしまう。
その様子に気付いた春の隣に居る、ゴー。
「どうしたんですか? さっきから春さん、ため息ばっかついてるみたいですけどー?」
何も考えて無さそうなゴーは無邪気な笑顔で春の事を見上げて来る。
「あ、いや……何でもない……」
そう言って春はバレないようになのか頭を振るのだ。
「何でもないんですか? 何でもない顔はしてませんよ」
その言葉に図星という言葉が一番似合いそうだ。 春の鼓動は更には高鳴ってしまうだろう。 こんなことではいくつ心臓があっても足りない位だ。
「大丈夫だから……心配しないで平気だよ」
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