ー告白ー7

 スタジオ内は広く沢山のアーティスト達が利用するのであろう。 この場所は録音の場所としても使えるが練習上としても使えるスタジオだ。 内装はカラオケボックスのように部屋があって各部屋は防音設備がしっかりしているからか、音がまったくもって外に漏れないようになっている。 そして入口のドアは頑丈に出来ている為か厚くて重い。 部屋内はカラオケ屋は比にならない位広い。 二人でこれだけ広い部屋を使っていいのかって位だ。


 だが、ここまで二人で来れたのはいい。 歌の練習って、どうしたらいいか分からないのが今の春の本音だ。


 部屋に入った二人は持っていた荷物をテーブルの上に置く。


「どうする?」

「どうする? って?」

「何を教えたらいいか、分からないんだけどー。 だって、ゴー君だって、ボイストレーニングとか知ってるでしょ?」

「まぁ、一応、基礎は出来てますよ」

「まぁ、いいやぁ、まずは自分達が普段やっているトレーニングからやろうか?」


 二人はそれぞれのトレーニング法からやり始める。 二人共教わったのは別の人間。 それぞれやり方は違う。 だが自分がやり慣れてる方が楽だと思う春。


 しばらくして、それぞれのトレーニングをやり終える。


「特に僕が君に教えることはないみたいだよ」


 と言う春。


「じゃ、どうするんですか?」


 とりあえず二時間は予約してしまったスタジオ。 何かもったいないような気がする。 ならばスタジオなんて借りずにカラオケにでも行けば良かったのだろうか。


 二人はボッーとスタジオの真ん中で何か策がないかと考える。 二人共ボーカル。 弾けるのはギターだけ。 そのギターは今日は持って来ていない。

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