ー告白ー2

 もし今回ゴーに会って自分の抑えが効かなかったら、下手をすれば、もう自分達の関係は途絶えてしまうかもしれない。


 そう考えると明日会うのは危険過ぎではないだろうか。


 なら、このまま自分の気持ちを打ち明けず友達でさえいいと思う。


 なら明日は意識をせずに友達感覚で会えばいいんじゃないんだろうか。


 そう春は結論を出すとゴーへメールを返す。


『明日は僕も休みだよ。 そうだ! 前に言っていた、レッスン、してあげようか?』


 しばらくするとゴーからメールが返って来る。


『ありがとうございます! では、例のスタジオでいいですか?』

『ああ、そうだね。 そのスタジオなら、いつも行ってる場所だから僕も慣れてるからね』

『じゃ、そこでいいですね。 では、また、明日』


 二人はやっとのことで会う約束をする。


「やっと、会えるのか……」


 そう軽いため息と共に春はイスに体を預けるのだ。


 明日は確かにゴーと会う約束はした。 そしてレッスンをするということにしたのはいいのだけど、果たして春はレッスンだけで止めることが出来るだろうか。


 だけど、そこで告白をしてしまって嫌われたくない。 そうだ今はまだ会えるだけの存在でいいような気がする。




 次の日。


 待ち合わせの場所のスタジオに春は向かう。


 東京に出て来てからの二度目に引っ越した場所は事務所に近くてスタジオに近いことを条件にこの場所を選んだ。


 昨日ゴーと約束をしたスタジオまでは歩いてすぐの場所。


 春は休みということもあってか約束の時間まで、いつものようにお湯を沸かしリビングから見える東京の朝の風景を見ながらコーヒーを啜る。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る