ー告白ー3

 東京の朝は地方に比べて騒がしい。 窓の外に見える風景。 朝早くから灯りが灯る右の方に見えるビル。 マンションの階下を通る高速道路は平日の上りはいつも渋滞している。


 だが自然が好きな春は太陽と富士山だけは欠かせたくなかった。 窓から見える風景は半分都会ではあるが半分は自然な風景。


 春はこの風景が好きで自分の歌詞にも書いたことがある。


 歌詞のほとんどは春が書くのだが曲は皆で考えることが多い。 自分一人の力じゃなく皆で力を合わせて曲を作るからいい曲が出来るんだろう。


 春のグループはバラードを基調とした曲調。 春もバラードが好きだから今のバンドのメンバーで良かったとさえ思える。


 フッと思ったことがあった。 ゴーに出会ってから、たまにゴーの音楽を聞くのだけど春達と一緒でバラード系の曲調が多い。 たまに自分達以外の曲を聞くと勉強になる。


 そんなことを思いながら春はボッーとしていると約束の時間まで一時間しかない事に気付き春は慌てて準備をしシャワールームへと急ぐ。


 いつも出掛ける前にシャワーに入る春。 どんなに時間が無くとも毎朝のシャワーは欠かせない。 シャワーだから、そんなに時間は掛からないが、やはり待ち合わせ時刻までには間に合わせたい。


 何とか春は四十五分前にシャワーを上がり、とりあえず鞄を手に取りスタジオへと向かう。


  春が東京に来てから何年経ったのだろうか。 春は東京に来て気付いたことがあった。

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