Fall in love

ー出会いー9

　もしかしたら相手がマメな性格なら向こうからメールが来ているのかもしれないと胸を高鳴らせる春。

　だがメールの相手は春の予想を反していた相手だった。

『おーい！　何してんだよー。　今日、収録がある日なの忘れてないか？』

　いきなり来たメールは同じメンバーからのメールで今日、収録があることを知らせてくる。

　今までゴーのことで頭がいっぱいになっていた春。　そのメールに慌てて用意をして家を出るのだ。

　そう言われてみればそうだった。　今日は番組収録はないが新曲の音合わせがあることをスッカリ忘れていた。

　今まで、こんなミスをしたことなかった春。　本当に春はゴーのことが気になって仕方がないのだろう。　それ位、自分のことを悩ますゴーの存在は春の中で大きくなってきている。

　皆から遅れて三十分後。　春はスタジオへと入る。

　そして春はメンバーに向けて頭を下げ皆に謝るのだった。

「ホント……ゴメン！　遅れちゃって……」

「ま、まぁー、気にすんなよー。　お前にしては珍しいことじゃないかー。　彼女にフラれたとか?」

　そう冗談で言うメンバーの一人だが、その質問、ある意味当たっているようなぁ？　当たってないようなーっと春には思えた。

「べ、別にそんなんじゃないよ……」

「それは置いておいてー、春も来たことだし、音合わせしようぜ」

　メンバーの一人に言われ春も音合わせに参加し練習を一通りしてから本番へと入る。