エピローグ

「昨日はあたしの手作りカツ丼食ったし大丈夫だ!」

「あれ食べ物だったんですね……」

「…………ごまかしのチュ!」


 茜さんのキスはいつだって心臓に悪い。


「じゃあ、行ってきます」

「いってらっしゃい、秀くん」


 ◆◇◆


 茜さんと改めて付き合うことになって一週間後。僕は新作の原稿を担当編集者に読んでもらいにきていた。


 無機質なオフィスは緊張を煽る。僕は編集者から視線を落とし、茜さんに作ってもらったビールジョッキと桜の花弁型のアクセサリーを握りしめた。


「うん」


 編集者が口を開く。

 固唾を呑み、次の言葉を待つ。




「面白────」






     捨て推し/おしまい。

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〖短編〗捨て推し YURitoIKA @Gekidanzyuuni

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