第137話 軍隊アリ必勝法
「昨日の牛肉はとてもおいしかったわ。さすがラッキーね。やっぱり素質があると違うのかしら?」
「どうなんだろ?ただ、素質があるから料理するのは楽しいし、すればするほどうまくなってる感じはするな。」
『ラッキーの料理おいしかったんだぞー。又食べたいんだぞー。』
「ああ。昨日全部使いきっちゃったから、又今度な。」
『わかったんだぞー。』
(牛肉はおいしかったけど、さすがにカウカウはレベリングの効率が悪すぎる。それ程急いでるわけじゃないけど、普通は1カ月でレベル30とかありえないもんな。それをしようとしてるんだから効率重視で行かないと。)
「今日は軍隊アリを攻略しようと思う。」
「昨日の作戦ですね。魔力がどこまで持つかわかりませんがやってみましょう。」
「ああ。スライム達のおかげで赤豆も豊富にあるしな。」
昨日、牛肉を食べながら今日は軍隊アリを倒しまくる話をし、戦略を立てた。戦略と言っても簡単だ。軍隊アリが酸を飛ばすよりも先に遠距離魔法で倒してしまおうという作戦だ。幸運な事にラッキー達は、シルフィード、マリア、マフィンは魔法が使えるし、ラッキーとタルトも火の杖か魔法の杖を使えば遠距離の攻撃が可能だ。軍隊アリは火属性が弱点なので、火の杖を4人が使えば、より効率が上がる。
それに魔力が無くなってもレッドスライムからドロップした赤豆が大量にあった。魔力はシルフィードとマリアが300を超えており、ラッキーとマフィンが200後半、タルトが100超えと少ないが、赤豆で魔力を回復する事ができれば殲滅速度は上がるし、酸を受ける事もない。
軽く食事を終えたラッキー達は軍隊アリ殲滅作戦に向かった。
「ラッキー。道中レッドスライムも倒すの?」
「いや軍隊アリを倒す時間を多く取りたいから基本的には最短距離で24階層まで行く予定だ。今日どれぐらい赤豆を使うかわからないから、今日の結果次第では、レッドスライム狩りに切り替えるかもしれないな。」
「たしかにそれがいいですね。」
『それならカウカウも狩りたいんだぞー』
「そうだな・・・疲労してまで倒しすぎるのは危険だからある程度目標は必要か・・・。そうだな、5体の集団を100回500体を目標にしてみるのはどうだ?遠くから魔法を使うだけだから危険はないだろうし、流れとしてはリルが軍隊アリを見つける。その後、俺達が魔法で倒す。それの繰り返しだな。欲を言えば1日レベルが1つ上がるのが望ましいな。」
「500体ですか・・・。それはやばいですね。僕達の10日分ぐらいですよ。」
「まあリルがいれば魔物はすぐに見つけれるし危険もない。それに俺達は早くレベル30までレベルを上げたい。なら頑張るしかないさ。」
「そうね。安全に強くなれるなら私はOKよ。疲れたら早めに言うわ。」
「シルフィーの言うように、疲れたら早めに言うようにしましょう。いくら安全と言っても何があるかわかりませんから。」
そう言ってラッキー達の軍隊アリ殲滅作戦は始まった。
『こっちに魔物のにおいがするんだぞー』
「リルが魔物を見つけたみたいだ。」
リルについて行くと、洞窟の通路に軍隊アリが7体横に並んでいた。
「軍隊アリが見えたら魔法で攻撃だ。狙いが被らない様に。」
ラッキー、マリア、マフィン、タルトが火の杖でファイヤーボールを放つ。魔力が多いラッキー、マリア、マフィンは連続で火の杖から魔法を放ち、タルトは1回だけだ。シルフィードは風魔法で打ち漏らしや一発で倒れない軍隊アリの対応をする。
ラッキー達の作戦は見事にはまり、軍隊アリは酸を出す事なく消滅した。後に残ったのは、魔石7個と砂糖の塊が1つ、細い瓶に入ったアリ酸が1つだった。
「見てラッキー。レアドロップの砂糖が出たわ。幸先がいいわね。」
「ああ。それに思ってた通り簡単に倒せた。これならかなりの数の軍隊アリを倒せるだろう。」
「そうだね。僕も魔法で倒せるなんて思ってなかったよ。うまく弱点属性を使ったのがよかったんだろうね。」
『次はあっちにいるぞー』
「あっリルちゃん!」
「また見つけたみたいだ。張り切ってるな。」
「きっと500体倒して早くカウカウの所に行きたいのよ。」
「なるほど。たしかにそうかもな。」
リルが飛び出したので急いで後を追うラッキー達。それからは軍隊アリを倒すとすぐにリルが新たな軍隊アリを見つけて走って行く。後を追い、軍隊アリを発見すると魔法を放つが繰り返された。
そして・・・
「リル!ストップだ。さすがに動きすぎた。ちょっと休憩しよう。」
あれから20回程休みなく動いたラッキー達は1時間半ほどで120体程の軍隊アリを倒したのだった。団体で出てくるのと、移動しても次の軍隊アリはすぐ傍にいたので、移動にはあまり時間がかからなかった。一団体5分程で休みなく動き続ければ疲れも出るだろう。
『わかったんだぞー。』
そうして、ラッキー達は休憩し疲れを癒した。短時間で軍隊アリ必勝法の成果が出た事に満足し、休憩中も談笑する余裕があった。
「よし。この調子で行こう。」
そうして、ラッキー達は軍隊アリ攻略法を続けてるのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます