第136話 ダンジョン25階層のカウカウ

「今日から又ダンジョン攻略ね。」


「ああ。しばらくは進みながらレベル上げだな。何があるかわからないからレベル30までは上げてから30階層には進みたいな。」


「でもタルトとマフィンの話では30階層にボスはいないんですよね?」


「ああ、そうみたいだな。だけどアークドラゴン様の話じゃ、30階層を調べろって事だった。もしかしたら隠し部屋かなんかがあってそこにボスがいるんじゃないかと俺は思ってる。」


「たしかにボスがいないのは不自然だものね。」


「ああ。それでボスを倒せば、アークドラゴン様が言ってた良い物が現れるんじゃないかと思ってな。」


「だからレベル30まで上げるのね。」


「情報が全くないからボスがいるかどうかもわからない。ボスがいてもどんなボスかもわからない。なら最悪を想定しておくべきだと思うんだ。」


「たしかにラッキー様の言うように準備は入念にしておいた方がいいですね。1カ月って期限は決めてましたが絶対にその期間にしないといけないって訳じゃないですし。」


「ああ。だからここからは効率の良い場所でレベリングを優先しようと思う。ドロップアイテムがけっこう良い値段だったから多少潤ったしな。」


「それに無事に素質も手に入れたしね。」


「そうだな。節約ってあんまり効果があるとは思えないけどな。」


「そんな事ないですよラッキー様。節約ってすごい大事なんですよ。」


『俺は24階層から先に肉があるのかが気になるんだぞー』


「タルト、マフィン。24階層から先の魔物の情報を教えてくれるか?リルが肉を落とすヤツがいるか気になるんだって。」


「うん。わかったよ。」


そう言ってタルトとマフィンは24階層以降の魔物の情報を話した。


24階層 軍隊アリ 通常ドロップはアリ酸 レアドロップは砂糖

25階層 カウカウ 通常ドロップはミルク レアドロップは上質な牛肉

26階層 ベビーデーモン 通常ドロップは悪魔のしっぽ レアドロップは悪魔の心臓

27階層 岩石ロック 通常ドロップは固い石 レアドロップはゴーレムの核

28階層 ラミア 通常ドロップは蛇肉 レアドロップはラミアの皮

29階層 ゴブリントリオ 通常ドロップは上質なゴブリンの腰蓑 レアドロップは癒しの杖

30階層 ボス不在


「ありがとう。助かった。」


「魔物の情報は頭に入ってるからいつでも聞いてよ。」


『ラッキー。今日はカウカウを狩りたいんだぞー。』


(さてと後はどこでレベルを上げて行くかだな。多分5人で戦えば今のレベルなら、どの階層でもある程度はやれるだろう。だけど5人でカウカウ1体倒すなら2人でスライムを倒した方が経験値の効率はいい気がする。ならチームを2つに分けるのがいいか。なら俺、リル、マリアとタルト、マフィン、シルフィーで分けるか。)


「タルト。人気の階層と不人気の階層はどこだ?」


「人気なのは25階層のカウカウだね。逆に不人気なのは岩石ロックだね。」


(カウカウはやっぱり人気か〜。まあそうだよな。だけどリルの為には行かない選択はないし。まあ行ってみてからだな。3人で倒せるなら問題ないし。あれっ?そういえばリルの扱いってどうなってるんだ?リルに行く経験値って俺達に入ってるのか?それとも従魔だから俺に入ってくる?いや、俺のレベルはシルフィー達と一緒だった。って事はリルにも経験値が入ってるって事か。)


「とりあえず今日は25階層に行って見ようか。リルの牛肉を確保しておきたいし。」


「わかったわ。」


「私もそれで大丈夫です。」


「僕達もそれでかまいません。」


『なら早く行くんだぞー。』


ラッキー達はダンジョンに行く準備をして、転移魔法陣で20階層に移動した。


「遭遇したら倒すけど、時間がもったいないから最短距離で下に降りよう。」


ラッキー達は21階層、22階層、23階層とサクサクと下に進んでいく。


「そういやタルト。24階層の軍隊アリって強いのか?」


「酸にさえ気をつければそんなに強くないって言ってたよ。」


「酸?」


「うん。服とか溶けちゃうし、武器とか鎧もほっておくと錆びちゃうから都度都度手入れしないといけないみたいだよ。うまく躱して倒すんだって。」


「それはちょっとめんどうだな。」


「後、5体以上の集団で襲って来るんだって。僕達は2人でやってたから24階層は危ないね。って話してたんだ。」


(なるほど。軍隊アリの名前通りって感じか。なら24階層はパーティーを分ける必要がないから良い狩場になりそうだな。酸の対策が出来たらいいかもしれないな。そこなら俺のモンスターガチャスキルもすぐに貯まりそうだし。)


ラッキー達は24階層で何度か軍隊アリと戦闘し、感じを掴むだけで、そのまま25階層へと進んだ。


そして・・・


「又か・・・」


リルの鼻を頼りにカウカウを探すも向かった時にはすでに他の冒険者が戦闘を行っていたのだ。


「やっぱり人気のエリアですね。奥に行かないと難しそうですね。」


「そうだな。まあここからなら転移魔法で安全地帯までは戻れるから今日は一日カウカウ狩りに決めて奥まで進んで見るか。」


『牛肉、牛肉、なんだぞー』

 

奥まで進むと、冒険者達をめっきりと見かけなくなった。ストレスなくカウカウを狩る事ができたラッキー達はその日、無事に上質な牛肉とミルクを手に入れる事ができた。そして、ラッキーがみんなに牛肉料理を振る舞い大絶賛を受けるのだった。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る