第130話 オーディールダンジョン14階層

「マフィン達はいつも11階層からスタートしてるんだよな?」


「そうだよ。今は、20階層のボスを倒して日帰りで帰る形だね。それまでは17階層でレベル上げとお金稼ぎしてたかな。」


「17階層には何が出るんだ?」


「ジュエルホビットだね。」


「「「ジュエルホビット?」」」


「うん。大きな袋を背負った色が茶色いゴブリンみたいなやつなんだけど、倒したら宝石のカケラをドロップするんだ。レアドロップなら宝石をドロップするから金策に人気のエリアなんだ。」


(へぇ~。そんな魔物がいるんだ。たしかに金策とレベル上げが同時にできる魔物がいるなら行くよな。だけどそんな人気なエリアだったら冒険者も多いはずだ。冒険者が多い人気エリアを攻めるか。それとも不人気エリアで数多くの魔物を倒す事にするか・・・。まあ今回の目的から行ったらレベル上げを優先した方がいいか。」


「それは冒険者が集まりそうだな。逆にそんな人気のエリアなら魔物を倒すのに苦労するんじゃないのか?」


「そうなんだよ。しかもすぐに逃げるから2人じゃ苦労したよ。」


「宝石はちょっと興味あるわね。どうする。ラッキー?」


「そうだな。まず俺達の目標は30階層にある何かを見つける事。そしてその為には30階層に行かないといけない。30階層に行くためには安全の為、レベルを30まで上げた方がいいって事だったよな?」


「そうだね。」


「なら、魔物が多いエリアで戦った方が良いかな。俺達は人数も多いから今までよりもレベルの上がりが悪い。ならそれ以上に魔物を倒すしか方法がないな。マフィン。11階層から20階層の間ならどこが一番魔物がいるんだ?」


「そうだね~・・・」


そう言ってマフィンは11階層からの魔物の情報とドロップ情報を話し始めた。


11階層…ブルースライムα:ドロップはスライムゼリー2個、レアドロは上スライムゼリー2個

12階層…グリーンスライムα:ドロップは緑豆2個、レアドロップは緑豆100個

13階層…レッドスライムα:ドロップは赤豆2個、レアドロップは赤豆100個

14階層…オーク:ドロップは豚肉、レアドロップは上級オーク肉

15階層…アイアンアント:ドロップは鉄玉、レアドロップは鉄塊

16階層…ファイアウルフ:ドロップは毛皮、レアドロップは牙

17階層…ジュエルホビット:ドロップは宝石のかけら、レアドロップは宝石

18階層…骸骨騎士:ドロップは骨、レアドロップは鋼鉄の剣

19階層…ゴブリンブラザーズ:ドロップは鋼の盾、レアドロップは魔法の杖

20階層…スカイドラゴン:ドロップはドラゴンの鱗、レアドロップはドラゴンの牙


『ラッキー。14階層のオークは絶対狩りたいんだぞ。』


(だよな。話を聞いてリルならそういうと思ったよ。この中だったらどれが不人気なんだ?アイアンアントは鉄玉だろ?武器とかの素材なんだろうけど、玉サイズならあんまり需要はないか・・・それでいったら骸骨騎士の骨なんか使い道あるのか?)


「ありがとうマフィン。それで一番魔物が良そうな階層は?」


「まちがいなく18階層の骸骨騎士だね。ドロップは骨だけど、装備の素材としてもあまり使い道がないからね。逆に他の階層はそれなりに人気だよ。どれも実用性が高いからね。」


「なるほどな。じゃあ今日は14階層からスタートしようか。スライムは21階層からも出るみたいだから、オークを倒してリル用の肉を手に入れたら昨日と同じように各階層のレアドロップを手に入れながら下に進んで18階層で本格的に狩りをしようか。」


ラッキー達は、朝食を食べながら今日の予定を決めて、早速14階層に向かった。


「スライム達は相変わらず弱かったな。」


「そうね。でもみんな始めはあそこでレベル上げをするんでしょ?」


「そうですね。オーディールダンジョンの攻略方法はそれぞれの1~3階層でスライムを狩ってレベル上げと回復アイテムを揃えてから下に行くスタイルが一般的ですね。」


『ラッキー。あっちでオークのにおいがするんだぞー』


「待ってリル。何があるかわからないから全員で移動するよ。」


リルが鼻を頼りにオークに向かって行くので、ラッキー達は追いかけた。リルを追いかけると、すでにリルはオークに攻撃を仕掛けていた。すばやくオークの背後に回り込み、後ろから前足でオークを切り裂く。


『ドロップしなかったんだぞー。やっぱりラッキーが倒した方がいいんだぞー。』


「リルならオークも問題なさそうね。」


「そうだな。じゃあどうしようか?」


「そうね。ここは二手に分かれるのはどうかしら?ラッキーとリル。私とマリアとタルトとマフィンよ。リルの言葉がわかるのはラッキーだけだし、リルがオークを見つけてラッキーが倒せばレアドロップは手に入るわ。」


『シルフィー。俺はそれでいいんだぞー。』


「リルもそれでいいって言ってるよ。」


「なら決まりね。私達は4人で行動するわ。2人だと危ないかもしれないからね。そうね、1時間後に15階層への階段で待ち合わせでどうかしら?」


『わかったんだぞー。ラッキー行くんだぞー。オークがあっちにいるんだぞー。』


「あっちょっと待ってリル。わかった。みんなの分の肉も手に入れれるようにたくさん倒してくるよ。リルについて行けば合流も簡単だと思うから俺は行くな。」


(全く、リルは肉の事になると目の色を変えるな。しかも上級オーク肉ならなおさらだな。でもまあリルとコンビで行動するのもあまりないし、ここは暴れまくるか。)


そこからのラッキー&リルはすごかった。リルがオークを見つけるとそのままオークに突撃し、攻撃を仕掛ける。リルは絶妙に手加減して殺す事がないようにしていた。そこにラッキーが剣で追撃すると、オークは一瞬で死んでいく。リルの攻撃によってオークはもだえ苦しんでいるのでラッキーが攻撃を受ける事もない。ただただ、安全にオークを狩り続けた。


結果・・・


15階層への階段の所で、シルフィードと合流した時にはラッキー達は、上級オーク肉を8個も入手したのだった。







  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る