第131話 18階層の骸骨騎士は・・・
「8個も手に入れたの!?」
『俺は満足なんだぞー。俺とラッキーのコンビはすごいんだぞ。』
「うん。60体ぐらいは倒したかな。」
「60体も倒したんですか?あれから1時間しか、たってないですよ?」
(たしかに狩りすぎたかな。1分に1体倒す計算だもんな。だけど俺はリルについて行って止めを刺しただけだから、すごいのはリルなんだよな。リルが魔物を見つけて弱らせる。それを俺が倒す。この方法ならレベル上げも魔物の数もドロップアイテムもすごく効率よくできるな。)
「そう言えばそうだな。夢中でリルについて行ってたから何も考えてなかったよ。」
「それにしてもすごいですね。私達は10体倒して豚肉を1つ手に入れたぐらいですよ。」
「普通はそんなもんでしょ。ラッキーとリルのコンビがおかしすぎるのよ。」
(たしかにそれはあるな。リルは匂いで魔物の場所がわかる。俺はトラップの素質もあるからダンジョン内ではけっこう自由に動けるし、後は体力が続く限り狩りが出来るもんな。14階層高速オーク狩りはレベリングとモンスターガチャスキルを貯める候補に入れておくか。)
その後、ラッキー達は15階層、16階層と進み、順調にレアドロップアイテムを手に入れて行った。そして、17階層でタルト達の言っていたジュエルホビットを見つけた。
「いたわ。あれがジュエルホビットね。」
「はい。すぐに逃げるので周りを囲みましょう。」
ジュエルホビットはラッキー達を見つけると、方向転換し逃げようとする。だが、ラッキーが転移魔法を発動し、逃げ道を塞ぐ。目の前にラッキーが現れた事に驚いたジュエルホビットは再度方向転換し逃げようとするが、その間にクルトとリルがジュエルホビットの逃げ道を塞ぐ。ジュエルホビットの背中が見えた瞬間、ラッキーがミスリルの剣を振り下ろしジュエルホビットを倒した。
ジュエルホビットが消えた後には、赤く光る拳サイズの宝石が転がっていた。
「出たわ!!宝石よ。」
「さすがラッキーですね。まさか1発目から宝石が出るとは・・・」
「ラッキー様。とても綺麗な宝石ですね。それに意外に大きい。かなりの額で買い取ってくれそうですね。」
「ああ。これがレアドロップならここが人気なエリアなのも頷けるな。」
「宝石はかなり魅力ね。だけどジュエルホビットが逃げようとするのがやっかいだわ。倒すのに時間がかかるから苦労しそうね。」
(シルフィーとマリアとタルトは宝石に興味津々だな。逃げるのはやっかいだけど、俺の転移魔法を使えば逃げられても問題ない。転移魔法の距離を延ばす為にも毎日転移魔法は10回使いきる予定だったから、転移魔法の練習と17階層はセットにしてもいいかもしれないな。)
ラッキーは、赤い宝石を見てキャッキャッ騒いでるシルフィード、マリア、タルトを見て、このダンジョンに挑戦している間に3人分の宝石を手に入れようと決めるのだった。
無事にレアドロップを手に入れたラッキー達は、そのまま18階層の骸骨騎士のエリアに進んだ。骸骨騎士は右手には剣を左手には盾を持ち鎧を着ている、スケルトンが鎧を着ている感じだった。
「火の杖を使えば危なげなく倒せるだろうしここもパーティを分けようか?その方が経験値効率がいいし。」
「そうね。それでかまわないわ。だけど・・・。いえ、いいわ。とりあえずそれで行きましょう。パーティ分けはどうする?」
「そうだな。俺とマリア、シルフィーとリル、タルトとマフィンでどうだ?」
「そうね。近距離と遠距離をうまく分けた感じね。構わないわ。」
「はい。僕もそれでかまいません。」
『俺も大丈夫なんだぞー』
「じゃあ2時間ぐらいしたら一度19階層に降りる階段の所で合流しようか?そこで一度休憩して、その後どうするか決めようか。」
マリア、シルフィード、マフィンがそれぞれ火の杖を持ち、18階層で分かれた。
「ラッキー様。見つけたら私が火の杖で攻撃しますね。」
「ああ。俺が止めを刺した方がいいよな?」
「はい。私が倒したらせっかくのレアドロップの機会を失いますから。」
そうして2時間の骸骨騎士狩りが終わり、集合場所に向かったラッキーとマリア。集合場所にはすでにシルフィード、リル、タルト、マフィンが待っていた。
「お待たせ。どうだった?」
「ラッキー・・・ここでの狩りはやめましょ・・・」
「はい。僕もそう思います・・・」
待ち合わせ場所に到着したラッキーが聞いたのは、骸骨騎士狩りをやめようという声だった。
「えっ!?どうしたの?何かあった?」
「骨しか出ないからテンションが上がらないの・・・」
「えっ?」
「だからー。倒しても倒してもお金にならない骨しかドロップしないから全然テンションが上がらないのよ!」
聞くと、シルフィードとリルチームは順調に骸骨騎士を倒して行った。不人気エリアという事とリルが魔物を見つける事ができるので、2時間で50体程倒したそうだ。そしてドロップアイテムは特殊ドロップの帰還玉と骨が7本だった。
タルトとマフィンチームも同じ感じだった。数は40体とシルフィードチームよりかは少なかったが、ドロップアイテムは5個骨を手に入れていた。ちなみにレアドロップはゼロだ。
それに対し、ラッキーチームはラッキーが気配察知とトラップの素質を持っているのでシルフィード達と同じ50体の骸骨騎士を倒していた。そしてドロップは、骨がゼロで、鋼鉄の剣を6本手に入れていた。
(なるほど。レベル上げの効率ばかり考えてて、モチベーションの事を考えてなかったな。そりゃそうだよな。やる気が落ちたら討伐の効率も落ちるってもんだな。だから元々タルト達も17階層でレベリングしてたのか。これは俺の失敗だな。俺はレアドロップを手に入れれるから気にしてなかったからな。)
「たしかに言われてみればそうだね。その事を考えるがすっかり抜けていたよ。ごめんごめん。じゃあ折角ここまできたし、残りの時間は19階層でゴブリンブラザーズを倒そうか。あそこは鋼鉄の盾と魔法の杖を落とすみたいだし。それで20階層のボスを倒して今日は終わりにしようか。」
「ええ。それでお願い。しばらく骸骨騎士は見たくないわ。」
そうしてラッキー達は18階層での狩りをやめて19階層へと降りていくのだった。
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