第43話 ランクアップ
「ラッキーさん、シルフィードさん。おめでとうございます。今日から二人ともEランクに昇格です。」
「「やったー」」
「はい。なのでお二人が行きたがっていたダンジョンへの許可もようやく出す事ができます。」
「本当?やった。ラッキー。やったわ。やっとダンジョンに行けわ。」
「うん。毎日毎日頑張った甲斐があったね。」
「ラッキーさんとシルフィーさんは毎日、魔物の討伐頑張ってましたから。毎日毎日多くの素材を持ってきて頂き、ギルドも嬉しい悲鳴です。
まあ解体場のドガンさんは、忙しそうにしてますけどね。」
(そりゃそうだろうな。毎日50体は魔物の素材を持って行ってたから解体も大変なんだろうな。後で何か差し入れでもしておくか。)
「それじゃ2人とも冒険者カードを出して下さい。更新してきますので。」
ラッキーとシルフィーは受付嬢のナンシーに冒険者カードを渡した。
「はい。たしかに受け取りました。では更新してきますので、そのままお待ちください。」
そう言って、ナンシーは裏へと去っていく。
デイリーガチャスキルからフライパンが出てから2ヶ月。ラッキーとシルフィーは魔物討伐依頼を精力的にこなしていた。
まだまだ駆け出しで慎重に魔物討伐を日々こなしていた二人は、
ラッキーの気配察知と近接の剣術とシルフィの魔法による遠距離攻撃。更に二人が持つマジックバッグの存在。
格上に挑まなければ安定して毎回50体程の魔物を狩る事ができていた。
3日連続で依頼を受けて2日休みを設ける。休みの内は1日は剣術の訓練と解体などの勉強にあてていた。
それでも2ヶ月続けると倒した魔物の数は1800体にもなる。
その間、デイリーガチャスキルは60回。もちろん毎日欠かさずに使った。モンスターガチャスキルは180回も使う事ができた。
普通の冒険者なら途中で違う依頼を受けたり、別の場所で魔物を倒したりと、飽きて続かなかっただろう。
だが、ラッキーとシルフィーには明確な目標があった。ラッキーは今よりも強くなる事、シルフィーはリスボンにあるダンジョンを攻略する事。そして、その為にEランクの冒険者になる事。
その目標達成の為にラッキーとシルフィーは毎日毎日ギルドの依頼を頑張ってこなしていた。その成果が本日現れたのだ。
魔物を1800体倒した事でラッキーとシルフィーのレベルは10まで上がっていた。2人で倒したので1人900体。だいたい200体程魔物を倒すとレベルが上がっていた。
レベルが上がった事でステータスも大幅に上昇していた。
「ラッキー。明日から早速ダンジョンに行って見る?」
「そうだね。・・・って言いたい所だけど、まだ準備が整ってないからね。野営道具に調理器具、ダンジョンの地図に出てくる魔物、武器とかの装備の確認もしなくちゃ。」
「たしかに・・・たしかにそうね。わかったわ。明日はその辺の準備をしましょう。もちろん私も手伝うわ。」
「うん。ありがとう。」
「当然よ。パーティーだもの。」
ラッキーとシルフィーは明日ダンジョンに行く為の準備をする事を決めて、ナンシーから、更新された冒険者カードを受け取ると、その日は別れるのだった。
シルフィーと別れたラッキーは宿屋に向かいながら明日からの事を考えていた。
「がむしゃらに頑張ってきたけどようやくEランクか〜。レベルも上がった。素質も増えた。図鑑も順調に埋まってる。冒険者生活もだいぶ板についてきたな。家を追い出されてからもう半年ぐらいか・・・。」
この2ヶ月の成果でラッキーは素質を3つ増やしていた。デイリーガチャスキルからはまだ素質が出ていないがモンスターガチャスキルからは3つの新しい資質が出ていた。
180回も使ったのだから当然だろう。モンスターガチャスキルからは10%の確率でアイテムか素質が出るようになっている。ちなみにデイリーガチャスキルから素質が出る確率は0.3%だ。
そう考えると手に入れた素質の数が少ないように思うかもしれないが、一般的に素質は、天職の儀でしか手に入れる事ができない。その中でラッキーは唯一、後から素質を手に入れる事ができるのだ。3つも新たに手に入れば御の字だろう。
「ダンジョンに行くなら新しく手に入れた素質の使い道にも慣れておかないとな。この辺はシルフィーに相談して見るか。」
ラッキーは自分のステータスを見ながら、新しく手に入れた素質について考えていた。日々の魔物討伐は剣術と気配察知でなんとかなっていたので新しい素質に関しては何も手を付けていなかった。
「そういえばアイテムもガチャスキルからけっこう手に入ったし、使えるアイテムはダンジョンに持って行ってもいいな。マジックバッグが一杯になるから宿に置きっぱなしになってるけど整理しておかないとな。」
モンスターガチャスキルからはポーションや毒消しポーションなど、アイテムが20個以上出ていた。ラッキーの持っているマジックバッグでは日々の魔物の素材を入れるのにいっぱいいっぱいだった為、手に入れたアイテム類は宿に放置していた。
宿に着いたラッキーは、ガチャスキルで手に入れたアイテムを確認しながらいち早く、ダンジョンに行く為の準備を開始するのだった。
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