第37話 ラッキー&シルフィーパーティ結成‼

一緒に冒険する事を決めたラッキーとシルフィーはリスボン辺境伯からお礼のお金をもらうと、二人で魔道具屋に向かっていた。


魔道具屋に入ると、様々な魔道具がありラッキーは興味深々に魔道具を見ていく。


「ラッキー。隠ぺいの魔道具はこっちよ。」


シルフィーは慣れているのか、置いてある魔道具には目をくれず、目的の魔道具の元へ向かった。


「シルフィーはここによく来るの?」


「ええ。一人でダンジョンを攻略しなきゃいけないと思ってたから使えそうな魔道具がないかよく見に来ていたの。」


「へぇ~。でも魔道具って高いんだろ?」


「そうね。全てを買える訳じゃないけど、ダンジョンから緊急脱出できる魔道具は購入しないと、ソロじゃダンジョン探索の許可が下りないから買おうと思っていたわ。」


「そんなのあるんだ!?」


「高いけどすごく便利よ。魔法が使えなくても火魔法が使える杖とか、ああ後、マジックバッグなんかは魔道具の代表的なものよね。」


ラッキーは並んでるマジックバッグの値段を見て驚いた。

「高!?」


「何驚いてるの?ラッキーだってマジックバッグ持ってるでしょ?それって買ったんじゃないの?ああそっか。家からもらったんでしょ?公爵家なら当然持ってるわよね。私もマジックバッグはお父様からもらったわ。」


そして、隠蔽の魔道具の所へ着いた。隠ぺいの魔道具はネックレス型の魔道具だった。


「これよ。隠ぺいの魔道具は人気だから在庫もあると思うわ。」


「これって人気なの?」


「もちろんよ。貴族なんかはほとんどの人が付けてるわよ。自分の素質が相手よりも劣っていたらすぐに指摘されるもの。わからないように付けるのが常識みたいな所があるわね。」


「なるほど。」


(たしかに。貴族社会じゃ。相手が素質を持ってなかったりしたらそれだけで上下関係ができそうだもんな。現に俺もそれで追放された訳だし。)


「シルフィーも持ってるの?」


「私はまだ持ってないわ。もちろん社交界とかはお父様から借りるけど、冒険者を続けるなら今の所、隠蔽の魔道具よりマジックバッグの方が役立つからそっちをもらったのよ。」


シルフィーが隠蔽の魔道具を持っていない事を確認したラッキーは、先ほど辺境伯からもらったお金で丁度隠蔽の魔道具が2つ買える事を確認して、2つ購入する事を決めた。


「じゃあシルフィーの分も隠ぺいの魔道具を買うね。丁度さっきもらったお金で2つ買えそうだから。」


「えっ!?私の分も?ラッキーがお礼にもらったお金でしょ。私の分より、他の魔道具を買えばいいじゃない?」


「これから一緒に冒険するんだし、シルフィーの素質が知られて困ることがあるかもしれないだろ?だからこれは必要な事だよ。だからシルフィー。俺にプレゼントさせてくれ。」


「!?・・・・ありがと。」


シルフィーは顔を赤くして、ぼそっとお礼を伝えた。


ラッキーは隠ぺいの魔道具を2つ購入し、1つをシルフィーの渡した。


「これで、とりあえず素質の事が他の人にバレる事はないな。一安心だ。」


「ありがとうラッキー。私もけっこうレアな素質だったから実は隠ぺいの魔道具ほしかったよ。それで?今日はこの後どうする?」


「いや。行きたいんだけど、剣がボロボロなんだよ。だから今日のところは、ギルドに倒したオークの報告と、武器の相談をしに行く感じだな。冒険は明日からかな。」


「そういえば倒したオークの素材をまだ持ってたわね。わかったわ。私も一緒にギルドに行くわ。」


ラッキーとシルフィーはギルドに向かい、受付嬢のナンシーさんの元へ向かった。


「ナンシーさん。オークを倒したんで、その報告に来たんですけど、素材は解体部屋に運べばいいですか?」


「あっラッキーさん。おかえりなさい。えっ!?オーク?ラッキーさん。今日はアインさん達と一緒じゃなかったですよね?一人でオークと戦ったんですか?」


「いや。一人じゃなくて、シルフィーと一緒に倒したんだ。」


「ああシルフィード様!!!えっ今日は草原じゃなくて森に行ったんですか?」


「もう!!今は冒険者として来てるからそんなかしこまらなくていいっていつも言ってるじゃない!」


ラッキーとシルフィーは森での事をナンシーに話した。


「なるほど。そういう事だったんですね。シルフィード様。まだ森に行くのは早いといいましたよね?シルフィード様はステータスは高いけど、経験が足りないからしばらくは草原でって。」


「それは・・・」


「まあ無事に帰ってきたのでよしとしましょう。それでお二人はパーティを組むんですね。」


「はい。」


「わかりました。ではパーティ登録をしておきますね。」


「パーティ登録!?そんなのがあるんですね。」


「はい。一応誰が誰とパーティを組んでるのかギルドも把握しておかないといけませんから。」


「なるほど。そりゃそうか。」


ラッキーとシルフィーはナンシーに言われるまま、パーティ申請用の書類を書き、パーティ申請を行った。


そして、無事にラッキー&シルフィーのパーティが結成されると、ラッキーはマジックバッグからオークの素材を出し、ドガンに解体を依頼した。


解体を依頼したラッキー達は武器の相談をするために、隣の武器屋のガンテツの所に向かうのだった。



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