第11話 あれから魔物を倒す事90体・・・待望の!?
魔物を10体倒して、モンスターガチャスキルを使い、ハズレのパン以外を初めて出したラッキーはその翌日から精力的に魔物討伐の依頼を受け続けた。
1日50体の魔物を倒す事を目標にし、薬草採取の依頼を受けるのはやめた。
薬草を入れる袋がパンパンになると、魔物の素材を入れる事ができないからだ。
近くの草原で現れる魔物は主にゴブリン、スライム、スモールラビット。ゴブリンとスライムは素材としての価値がない。
価値があるのはスモールラビットのみだ。そして、スモールラビットの解体方法がわからないラッキーはリュックに2体と両手に1体ずつの合計4体のスモールラビットを運ぶ事ができる。
なので、スモールラビットを4体倒すと、一度ギルドにもどって、解体場にスモールラビットを預け、再度草原に向かった。
もちろん、素材を持って帰えらずにスモールラビットを大量に討伐しても良いのだが、使える素材を捨てるのはもったいないと思いラッキーはそれをしなかった。
それに魔物の後処理は大変で時間がかかる事もラッキーは魔物を自分一人で討伐してみて初めて知った。
スライムは魔石という核だけ残し消えてしまうので問題はなかった。問題はゴブリンだ。討伐証明である左耳。多少のお金になる小さな魔石以外はゴミだ。
だけど、ゴブリンの遺体はそのまま放置する事ができない。放置すると森から魔物が寄ってきてしまうからだ。
地面を掘って埋めるか、火で燃やさなければならない。
ゴブリンを討伐する度に、その後処理をすると時間がとてもかかる。しかもその間にも周りを警戒しておかないといけない。
毎日50体程魔物を倒したら、毎日5回モンスターガチャスキルを使える。10%の確率で素質かアイテムが出るなら2日に1回は当たりが出るだろう。
そう思っていたラッキーの思惑はいきなり外れた。
「あ~ゴブリンはやっぱり効率が悪いな・・・。1体倒す事に後処理とかめんどくさすぎる。モンスターガチャスキルを優先するならスライムが大量にいる所が一番効率がいいんだけどな~。」
もちろんそううまくは行かなかった。
「俺の運の良さってあまり仕事してないよな~。この運の数値ならスライムがバーッと大量に出てきてもいいと思うんだけど。」
ラッキーは気づいていなかったが、人々の脅威である魔物が複数で現れず、1体ずつ現れる。しかも後処理中も他の魔物が近づいてこない。これはラッキーの運が高いから起こる現状だった。通常ではそんな事はあり得なかった。
ラッキーは知らず知らずのうちに、運よくリスクが低くなっているのだった。
そんな調子でラッキーは日々魔物討伐を続けた。
一日目・・・15体討伐
二日目・・・15体討伐
三日目・・・15体討伐
四日目・・・15体討伐
五日目・・・15体討伐
六日目・・・15体討伐
その間に10体事にいつものアナウンスが流れる。
『Fランクの魔物一体討伐を確認しました。10体の魔物の討伐を確認しました。平均討伐ランクはF。Fランクのモンスターガチャスキルを使用できます。』
一日目・・・食パン
二日目・・・食パン、Eランクの魔物の魔石
三日目・・・食パン
四日目・・・食パン、ポーション
五日目・・・マジックポーション
六日目・・・食パン、
ちなみにデイリーガチャの結果は・・・
アンパン、カレーパン、食パン、メロンパン、ロールパンで今日はまだ引いていない。
そして、六日目の15体目、魔物討伐を開始して丁度100体目の魔物を討伐した時にそれは起こった。
『Fランクの魔物一体討伐を確認しました。10体の魔物の討伐を確認しました。平均討伐ランクはF。Fランクのモンスターガチャスキルを使用できます。』
『おめでとうございます。レベルが上がりました。ステータスを確認してください。』
「レベルが上がった!?」
この世界では15歳になるとレベルが1になり、以降魔物を倒したり、鍛錬をしたり、勉強をしたりするとレベルが上がるようになる。
15歳の天職の儀を迎えるまではどれほど鍛錬し、魔物を倒してもステータスが上がる事はあってもレベルは0のまま上がる事はない。
レベルが上がると、ステータスが上昇する。
素質がなくても、レベルが上がれば素質持ちを越えるステータスを得る事が可能になるのだ。
「おっと、ステータスを確認しなくちゃ。」
ラッキーは自分のステータスを確認した。
力 : 20 → 30
体力 : 18 → 28
敏捷 : 15 → 25
器用 : 13 → 23
魔力 ; 12 → 22
運 : 510
【素質】:ゼンパン(デイリーガチャ・モンスターガチャ)
「おーーー!!!ステータスが軒並み10も上がってる。レベルが上がるとステータスがかなり上がるんだな。これで魔物討伐が更に捗るな。」
ラッキーはこの時知らなかったが、レベルアップによって上昇するステータスは1~10である。そして、一般的なステータス値の上昇値は平均して5だった。
ここでも規格外の運の良さを発揮していたが、ラッキーは全く気付いていなかった。
「これなら森に行っても大丈夫かもな。オークとかは肉が素材になるって資料に書いてあったし、ウルフも毛皮が素材になる。装備のお金を払ったら又お金がなくなるから、更に良い装備を買う為にも素材は重要だし・・・」
ラッキーは草原でのみ魔物討伐を行っており、森はより強い魔物が出る為、近づいていなかった。森にはEランクの魔物である、オークやコボルト、ウルフにトレントなどの魔物が出現する。
「まあギルドで相談してみるか。あっ!!モンスターガチャスキル使ってなかった。今日はいつもよりツキがある気がする。もしかして・・・」
ラッキーはモンスターガチャスキルを使用した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます