第12話 10回目のモンスターガチャスキルの結果は・・・

魔物討伐を見守っていた神界のミラとマラは当然レベルアップの瞬間もリアルタイムでラッキーの事を見ていた。


「ミラ!ラッキーがレベルアップしたわよ。」


「うん。ラッキーさん。毎日たくさん魔物倒してた。レベルアップも当然。」


「それにすごいわ。全てのステータスが10も上がってる。上昇値のマックスよ。さすがミラの素質ね。」


「ラッキーさん頑張ってた。当然。」


「でも人間界のレベルアップシステムもなかなかきついわね。魔物100体倒してようやくレベル2でしょ?こんなんじゃ素質持ちが優遇されるのも当然ね。」


「姉さん。ラッキーさんは誰にも負けない。」


「もちろんよ。たしか人間界の最高レベルは80だったかしら・・・。今はもういないけど昔の勇者がたしかそれぐらいのレベルだったと思うわ。」


「レベル80・・・すごく高い・・・」


「まあ勇者の素質は戦闘面でもかなり優遇されてるからね。でもラッキーはステータスの上昇が全てマックスだったでしょ。って事は普通に考えたらレベル40~50ぐらいいけば世界最高のステータスになると思うわ。」


「うん。ラッキーさんならきっと大丈夫。」


ミラとマイが下界のラッキーを見守ってると・・・


「そこにいるのはミラとマイじゃないか?何してるんだ?そんな所で。」


一人の男性がミラとマイに話かけてきた。


「モートン。あなたには関係ないでしょ。」


その男はモートン。剣聖の素質持ちの神様で今回メルトに剣聖の

素質を授けた者だった。


「又、下界を観察してるのか?今回は俺の剣聖も授けたからな。たしかメルト・・・だったかな。今代の下界は俺の持つ素質の中の最上級を授けたんだ。ソイツがいれば何があっても大丈夫だろ?」


「モートン?あなたも下界を少しは気にしたらどうなの?素質を授けた子ががんばらないとあなたの格は上がらないわよ。」


「俺は下界に頼るより、自分の格は自分でどうにかするよ。それよりもミラ!これから一緒にお茶でもしないか?最近できたカフェは女性の神達からすごい人気らしいんだ。」


「いかない。」


「モートン。ミラと私は忙しいのよ。一人で行って来たら?」


「くっ・・・わかったよ。」


そういって、モートンはミラ達の元を去っていった。


「最悪なヤツにあったわね。アイツが剣聖の素質なんか授けなければラッキーは追放されなかったかもしれないのに。それにアイツの顔と態度。生理的に受け付けないのよね。」


「うん・・・」


ミラ達の元を去ったモートンは、


「なんだよ!せっかく俺が誘ってやったのにミラの奴・・・。失敗したな~。ミラが素質を授けた男がうまくいかなくなるように、せっかく敵対してるやつに剣聖の素質を授けたのに。ミラが困ってる所を俺が助けて、そのままミラを俺のモノにしようと思ったのに・・・」


モートンはミラが今回初めて素質を授けたのを知っていた。そして誰に授けたかも。モートンは前々からミラを狙っていて、今回素質の件を知ったモートンはミラに近づこうとラッキーの身近な人に素質を授けたのだ。


「まあ最上級の素質を授けたんだ。アイツが有名になってくれればそれはそれでOKだし。ミラの素質がどういうモノかは知らないけど、うまく追放まではされたみたいだからそれ程良い素質じゃないだろ。気長に待てばいいか。ミラが落ち込んでる時にそっと声をかけて、それから…ニヒヒヒヒ」


モートンは気持ち悪い笑みを浮かべながらそうつぶやくのだった。



「ミラ?モートンには気をつけなさいよ。どうもアイツ、ミラを狙ってるみたいだから。」


「うん。でも大丈夫。全然興味ないから。」


「それならいいんだけど・・・。あっ見て!ラッキーがモンスターガチャスキルを使うわ。今日こそ素質が出たらいいんだけど・・・。さすがに食パンばかり出るのを見るのもね~。」


「うん。何度か当たりは出てるから、今日ぐらいにはきっと・・・。それにパンが出てもラッキーさんはおいしそうに食べてる。」


「本当にそうね。ミラの素質がラッキーに授かって本当によかったわ。他の人なら毎回毎回パンが出てたら使うのをあきらめてるもの。ミラとラッキーは運命的な何かがあるわね。」


運命という言葉にミラは顔を赤くした。


「・・・うん。」


ミラとマイはラッキーが10回目のモンスターガチャスキルを使うところを、神様達の長である父のゼウスに祈りながら見守った。


(おねがい!!そろそろ素質を出してあげて!!)

(ミラの為にも、そろそろラッキーに素質を。)


その願いが叶ったのか、ラッキーがモンスターガチャスキルを使うと、いつもは白い光が輝くが、今回は金色の光が輝いた。


「ミラ!?光が金色だわ!!」


「うん。」


「今回は大当たりね。素質でまちがいないわ!!さあどんな素質なの。」


金色の光がおさまるとラッキーは叫びながら喜んでいた。


「素質・・・出た。よかった。」


「ミラ!!やったわね。おめでとう。」


「うん。ラッキーさんも喜んでる。私も安心した。」


神様達の願いがかなったからなのか、単純にラッキーの運がよかったからなのか、はたまた、確率10%だから自然と出たのか。はわからないが、

モンスターガチャスキルからは、初めての素質が出たのだった。





  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る