第9話 終わったな、これ。
翌日、私は通学路を歩いていると夢明ちゃんに会った。
「夢明ちゃん、おはよ~!」
「おー、雫じゃないか!おはよ~!」
私たちはお互いに挨拶をして、いつもみたいに雑談しながら学校に向かった。
「なんかさぁ、桜の見た目ちょっと変わったよね~」
「あ......うん、そうだね。」
夢明ちゃんの一言で、私は桜並木に目をやった。
満開だった桜から、少しずつだけど花びらが散っている。
もうすぐ葉桜になるのかな。
学校に着いた私たちは、上履きに履き替えて教室へと向かった。
私はいつも通りに教室に入り、自分の席についた。
だけど......
あれ、なんかクラスメイトから視線を感じるような......
「夢明ちゃん、なんか視線を感じない......?」
私は夢明ちゃんに質問した。
すると夢明ちゃんはニヤニヤしはじめた。
「雫ってさ、玲央と付き合ってるの?」
「......へ?」
あれ、なんか誤解されてない?
「だって、こないだ一緒に帰ってたじゃん?それに昨日は家の前で話してたし」
「え、なんでそれ知ってるの!?」
「えっとねぇ、おつかい頼まれて買い物した帰りに見ちゃった☆」
それだけならよかった。よくはないけどまだいいほうだった。
でも......
「そんで......そのことをグループLIMEでクラスメイトに教えちゃった......」
夢明ちゃんはハッとして、申し訳なさそうな顔でそう言った。
......終わったな、これ。
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