第5話  気づいていない

「玲央くん、こんな近くにいてよくバレなかったね......呪いのこと。」


こんなに強いなら私とおばあちゃんが気づいてもおかしくない。


でも、今日まで全く気づかなかった。


「あぁ、今までは邪気を封じ込めるお守り持ってたからな。それを持ってれば大丈夫だ。」


なるほどね......それならバレてないのも納得できる。


「ただ......」

「今日の朝、突然壊れたんだよ、お守り。」


あっ......おばあちゃんにバレるかもしれないねこれ。


「んで、邪気を封じ込めても呪い自体が消える訳ではないから、呪い自体を解きたいんだ。」


「そうだったんだね......。じゃあ、私はおばあちゃんから色々聞いてみるから、何かわかったら明日言うね。」


「おぅ、じゃあな。」


「バイバーイ!」




「ただいま~。」


「おかえり。学校どうだった?」


「んー、別に普通かなぁ。」


「そうか、でも雫が無事でなによりだよ。もぅご飯できてるから、冷めないうちにお食べ。」


「......うん。」


あれ、おばあちゃん、呪いのことについて何も話さないんだ......


私に気を遣って話さないようにしてるのかな。



「それにしても、最近は強い呪いや悪霊を見かけないから平和だね~。」


「え?......うん、そうだねー。」


おばあちゃんの発言に驚いて、私はおもわず箸を落としてしまった。


もしかして気づいてないの?あんなに強い邪気なのに、おばあちゃんは気づいてないの?


それとも、私勘違いしてただけ......?


いや、玲央くん本人が呪いだって言ってたから、私の思い込みではないだろうな......



でも、なんで気づかないんだろう......?


私は寝るまで、ずっとそのことばかり考えていた。

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