第4話 少年の呪い
そんな……悪霊を目の前に、何もできないなんて……
こんなことなら、少しでも……いや、ちゃんとおばあちゃんから話を聞いておけばよかった。
ほんとに、今日が私の命日になっちゃうのかな……
もう諦めかけていた、その時。
玲央くんが手を前に出して
ヒュッ!
十字形に空気を切った。
切ったところをよく見てみると……
そこには、十字の形の邪気があった。
そうか……玲央くんは、呪いの邪気を自分の意志で操れるんだ……。
そしてその邪気は悪霊に向かって飛んでいき……
「ギャァァァアァァアアァア!」
悪霊を十字に切り裂き……
悪霊は灰となって消えた。
「す、すごい……。」
それ以外に、言葉は出なかった。
「まぁ、最初から悪霊がいるのはわかってたしな。お前はどうせ倒せないだろうなとは思ってたし。それにこのぐらいの悪霊なら俺でも倒せるからな。」
へぇ、怜央くんでも倒せる……って、まさか……
「あんたもしかして……私が倒せないこと知っときながら、わざと悪霊がいるとこに連れてきたのか!」
「それ以外に何の理由がある。」
うわぁ……すべて知っときながら私を図書室に呼んでたんだ……
「でも、本を読んでも全く手がかりがなかったことは想定外だな。少しぐらいあってもいいと思ったんだが……。」
「……まぁ、最終的には私も怜央くんも怪我してないからよかったよ。」
「それに、家に帰ればちゃんとした本もあるだろうし、今日はもう帰ろう?」
「あぁ、そうだな。じゃ、また明日。」
「うん、またね〜」
「って……」
「あんたも同じ方向に家があるのね……。」
しばらく歩いてて、まったく別れる気配がないと思ったら……そういうことだったのか。
「あぁ。というか方向以前に……」
そう言って、彼は桜葉神社の少し奥を指さした。
「けっこう近くにあるぞ、俺の家は。」
……マジですか。
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