第2話 呪われた少年

結局、授業中も少年のことばかり考えてしまい、授業の内容は全く頭に入らなかった。


あ、少年のことばかり考えててたのは好きだからとかそういうんじゃないからね!?


でもなんで、彼から邪気が……?



彼の姿はみんなにも見えてる……


だったら、幽霊や悪霊の可能性は低い……



魔術師だったりして……


でも、魔術師の力は16歳をこえるまで手にすることができない……



じゃあ、一体なn…

「お前、ちょっと来い。」


「へっ……?」


いきなり彼に話しかけられた。私はそれにびっくりして、アホみたいな返事をしてしまった。


「……いいから来い。」


そう言って彼は私の腕を強引に引っ張っていった。


「えぇぇ!?ちょ、何がしたいのあんた!?」


短時間にいろいろありすぎて情報が整理できない……


てかそんなことより、もしかして気づいたのバレてる……!?



とりあえず、彼は廊下のすみっこで止まった。


本当なら、今すぐここから逃げたい。


彼の鋭い視線に睨まれて私はここから動けなかった。


「さて……お前、気づいてんだろ?俺のこと。」


「え……?な、なんのことぉ?」


「お前、嘘つくの下手すぎんだよ。今までよくそれで死ななかったな。」


あぁぁやっぱりバレてたぁぁぁあ!


てか今の発言でバレたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!


「それに、お前の髪色とか目の色は珍しいからな。そんな奴に用心しないわけがない。」


確かに、私の髪は銀髪で、目の色も少し緑がかった黒だ。


「それに、お前は巫女だろ?銀髪の巫女は霊力が強いってよく言われるからな。だから最初から気をつけていたんだ。」


桜葉家はみんな目の色が緑っぽかったけど、私は霊力が強くて、髪の色にも影響が出て銀髪になっている。


これも、霊力が強いのが嫌な理由だな……


「へぇ……。じゃあ、だったら何か用?」


強がってはみたけど……殺されそうで怖い!


うん 、もぅ今日が命日かも知れないね私!


「お前、俺のこと気づいてんだろ?」


「……。」


「まぁいい。お前の態度で、隠せていなかったことはわかったからな。」


「お前にだけ教えてやる。」




「俺は、呪われてるんだ。」




「呪われてる……そうなんだ……」


呪い、か。


霊力が強ければ、解呪の方法も使えるらしかった。


でも、私は霊力のことは聞きたくなくて、関連することを覚えるのをずっと避けていた。


だから、呪いだって気づけなかった。


「で、お前、この呪い解けるか?」


「いや、まだ解けない。呪いとかに関してはまだ何も知らなくて……。」


「それって、覚えようとすれば覚えられるのか?」


「うん、多分そうだと思う。」


そう言うと彼は、なにかを考え込むような仕草を見せた。


そして……


「じゃあ、俺が呪いのこととか、いろいろ教えたり調べたりするのを手伝ってやる。その代わり、お前は俺の呪いを解く。」


「これでどうだ?お前に取っても悪いことじゃないだろ?」


確かに、これから呪いのことを知ることも重要かもしれない。


それに、どちらにとってもプラスになるなら……



「うん、いいよ。」



私はその交渉にのった。


「私、雫って言うの。あんたは?」


怜央れおだ。」


「怜央くんか……よろしくね。」


「おう。」


怜央くんからは、やっぱり邪気を感じる。


それは、怜央くんについている呪いから発せられていたんだ。


でも、怜央くんは悪い人じゃなさそうだな。







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